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再送-為替こうみる:「取らぬ狸」、脆い米景気回復を脅かす=三井住友銀 宇野氏
2017年5月2日 / 05:20 / 5ヶ月前

再送-為替こうみる:「取らぬ狸」、脆い米景気回復を脅かす=三井住友銀 宇野氏

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[東京 2日 ロイター] -

<三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>

昨年11月のトランプ大統領の誕生は株高、ドル高、金利上昇を生んだ。目を見張るような過剰な修飾語を付けてツィートされる政策構想に、消費者センチメントは高揚し、本格的な金利上昇前にローンを組もうとする駆け込み的な行動も見て取れた。米国第一主義を唱えているため、企業センチメントも上向いた。

その結果、ソフト系の数字の改善は凄まじく、2月シカゴPMIは57.4と14年ぶり、2月消費者信頼感指数は114.8と2001年7月以来の高水準を記録した。

米長期金利はセンチメントの高揚と連動し、大統領選当日の1.7%から昨年12月半ばの2.64%まで0.25%の利上げをほぼ4回分の織り込むほど急伸した。

トランプ政権で芽吹いた「センチメント先行の初期の景気回復」を「持続的回復」に確実につなげるには、俊敏な政策の決定と実行が欠かせない。

さもないと、初期の景気回復に伴う金利上昇やインフレ増長が、持続的回復の芽を摘んでしまうからだ。   

実際、ユーフォリアは短く、明るさの見えた米経済に変調の兆しがあることを、ハードデータと債券市場は示し始めている。

3月製造業ISM、3月NFP、3月住宅着工件数など弱い数字が続き、第1四半期GDPは成長の核となる個人消費の停滞が全体の足を引っ張った。

米長期金利は3月の利上げ後も2.64%を超えることはなく、2.3%を下限としたレンジを形成。さらに、経済指標の改善一服で2.16%まで低下した。

振れやすく脆い初期の景気回復を磐石にするには、財源面からも地に足の付いた政策が欠かせない。  だが、2018年度米予算編成で示された、先行きの3%越えの成長率に基づく税収増を前提とした歳出増大の青写真は、「取らぬ狸の皮算用」そのものであり、消費者がこうした都合の良い話に乗るか疑問が残る。

一方、FRBは「利上げフェーズ」に沿う言動を取り続けてきたが、当初想定していた利上げペースは中国経済の乱れや米潜在成長率の下方シフトに妨げられ、米長期金利は、2015年末の初回利上げ時の2.3%から昨年半ばに1.3%まで低下した経緯がある。

トランプ政権が空手形を振り、財源確保の時期を先延ばし、具体策も財源の出所も明らかでない政策で、時間を浪費するならば、物事を楽観視する習慣がついた消費者も市場参加者もさすがに愛想を尽かすだろう。

結果として、今後米国で利上げが複数回実施されたとしても、米長期金利は2%割れ、またはトランプラリー始点の1.7%を試す展開になると予想する。  

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