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FOMCこうみる:「金融引き締め路線」行き詰まり、年内追加利上げ困難に=三井住友銀 宇野氏
2017年6月15日 / 02:15 / 4ヶ月前

FOMCこうみる:「金融引き締め路線」行き詰まり、年内追加利上げ困難に=三井住友銀 宇野氏

[東京 15日 ロイター] -

<三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>

インフレ率の低迷という不都合な事実に対して、米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は、タカ派を演じるかのような発言をしており、ちぐはぐな印象を受けた。

イエレン氏は「労働市場が引き締まり、物価上昇の環境は整っている」と述べたが、一方で、経済見通しでは、2017年分のコアPCEデフレーターの見通しが下方修正されている。

声明文が示す景気の現状認識についても、3月に強気、5月はいったんは揺らいで慎重、今回は強気に戻るなど、毎回が「live meeting」とはいえ、ブレが目立つ。

こうした米金融当局の姿は「金融引き締め路線」が行き詰まっていること示唆しているとみている。工程表を示すと宣言した手前、バランスシート(B/S)縮小の道筋を示さざるを得なくなったが、それも自らを窮地に追い込んでいるようだ。

振り返れば、FRBは2015年、2016年とそれぞれ一度しか利上げができなかった。予定通りなら両年に複数回の利上げを実施し、今ごろは引き締めの総仕上げとしてのB/S縮小に着手できたはずだ。

ただ残念なことに「時、既に遅し」とは言わないまでも、実体経済のピークは今年第1四半期につけてしまっている可能性があり、インフレ率も2月をピークとして、その後は、一向に数字が上がってこないどころか、下がり気味となっている。

FRBは乗り遅れた金融引き締め路線にこだわり、躍起になっているもようで、イエレン氏の「現実逃避」的な発言にもうかがえる。

B/S縮小に関しては、2014年9月の「政策の正常化の原則と計画」で示された方針について、補則という形で具体的なルールが公表された。市場ではB/S縮小のルールが決まったことで、年内にも開始されるとのも見方が出ている。

しかし、イエレン氏がインフレについて強気な見方を維持できる余地は次第に狭まっていくと考えられ、今回が今年最後の利上げとなる可能性が高いとみている。また、B/S縮小開始も同様に、タイミングを逸したツケが回り、年内実現の可能性は時間の経過とともに低くなっていくだろう。

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