焦点:中国人民元の国際化推進、相場変動の激化招く
[上海 22日 ロイター] 2年間にわたり人民元の国際化が進められた結果、好むと好まざるとにかかわらず、人民元は以前より世界市場の気まぐれな動きに左右されるようになっている。
昨年12月初旬、人民元相場が10日連続で許容変動幅いっぱい下落し、多くのアナリストは、中国経済のハードランディングを心配して「ホットマネー」が中国から逃げ出している証拠だと受け止めた。しかし短期的なパニックが収まると、人民元建て取引の促進を意図した改革が貿易にかかわる企業に、中国の厳しい資本規制を回避する新たな方法を生み出していることが明らかになった。このことが、オンショア為替市場の動きを激しくさせている。
中国人民銀行(中央銀行)の元金融政策委員の余永定氏はウェブサイト「Project Syndicate」への寄稿で、「そうしたエピソードは、為替相場の動きに恒久的な変化が起きたことを示しているようだ」と指摘した。
資本規制のため、投機筋にとって「中国を空売りする」のは簡単ではない。しかし、人民元政策の変化によって、貿易を手掛ける企業が中国経済への悲観論に便乗することは可能になった。特に香港のオフショア人民元(CNH)市場の拡大は貿易関連企業に、オンショアとオフショアの人民元相場のスプレッドを利用した裁定取引の道を開いた。その結果、国際的な要素の影響を資本規制が緩和する力が弱まり、中国への外貨の流出入は以前より激しく変化するようになっている。
また、中国の財とサービスに対する輸出需要や外国資本の対中投資の動向を探るうえで、外貨準備高の指標としての正確さが低下している。人民元の需要が強いとき、以前なら人民銀行に売却されたドルが、オフショア市場で売られることで、国内の外貨の積み上がりが抑制されている。逆に人民元需要が弱いとき、以前なら人民銀行から購入されたドルが、オフショア市場で買われることで、国内の外貨の減少が起こりにくくなっている。
<輸入・輸出業者がオフショア市場利用>
2010年遅くにオフショア人民元取引が活発化し始めて以降、オフショア人民元相場はほぼ一貫してオンショア人民元相場に対しプレミアムになっていた。ドルの需要家である中国の輸入業者にとってこれは、ドルの調達場所を同じ額の人民元でより多くのドルを買えるオフショア市場に移す誘因になった。このことが、昨年の第1・四半期から第3・四半期にかけての中国の外貨準備高増加に貢献した可能性は極めて高い。外貨準備高は第1─3・四半期に2700億ドル、前年同期比16%増加したが、この間の貿易黒字幅は前年同期を下回っていた。
しかし昨年9月になると、欧州債務危機などによるリスク回避の動きで資金が安全を求めて流出し、オンショア人民元相場はオンショア相場に対しディスカウントに逆転した。貿易関連企業に対する誘因効果も逆になり、輸出業者が外国の顧客から受け取ったドルを売る場所を、オフショア市場に移すようになった。 続く...







