五輪=メダリストたちの勝利の裏にある悲劇にも脚光
[北京 21日 ロイター] 北京五輪で喜びの涙を流したメダリストのなかには、家族を亡くしたり、病気に苦しんだりという胸がつまるような経験をしている選手たちがいる。
男子重量挙げのドイツ代表マティアス・シュタイナーは、金メダルを受け取る際、昨年自動車事故で亡くなった妻の写真をしっかりと持っていた。世界最強の男は涙をこらえながら「妻とはいつも一緒だった。競技の始まる前もいてくれた。私は迷信深いわけではないが、彼女が見ていてくれたと思いたい」と語った。
フェンシング男子サーブルの米国代表キース・スマート(30)は4カ月前、自分を死に至らしめかけた血液の難病を克服して五輪に出場。スマートの勇気に触発された米国代表チームは、同競技で予想外の銀メダルを獲得した。「ことしはこれまでの人生で最もつらい1年だったが、最も素晴らしい1年ともなった」と語った。スマートは2カ月前に母親でがんで亡くし、また11歳のときにフェンシングをやるよう勧めた父親も2005年に他界。スマートは「父か母ともう1度、1時間だけ過ごせるとしたら、競技で成し遂げたすべてを差し出してもいい」と話した。
女子10メートル・エアピストルの中国代表で金メダルを獲得したGuo Wenjunは、15歳だった10年前、コーチとピストルの競技大会に行っている間に父親から捨てられた。父親はその後戻ってくることはなく、コーチが父親代わりとなった。父親に捨てられたという気持ちがGuoを何度かトレーニングから遠ざけたが、ついに五輪出場を果たし、コーチに「父は私を見て、誇りに思うだろう」と伝えたという。
体操のオクサナ・チュソビチナ(33)は、3歳で急性リンパ性白血病と診断された息子の治療のため、2002年にウズベキスタンからドイツに移住。今回ドイツ代表として北京五輪で銀メダルを獲得したチュソビチナは「このメダルは息子のためのもの。彼なしでは成し遂げられなかったから」と語った。
© Thomson Reuters 2009 All rights reserved.














