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ロイター4月企業調査:AIIB不参加でも8割「デメリットなし」
2015年4月20日 / 22:33 / 2年前

ロイター4月企業調査:AIIB不参加でも8割「デメリットなし」

 4月21日、ロイター企業調査によると、中国主導のアジアインフラ投資銀行に日本が不参加でもデメリットは特に感じないとする企業が8割にのぼった。写真は人民大会堂で行われた設立式典、2014年10月代表撮影(2015年 ロイター/Takaki Yajima)

[東京 21日 ロイター] - 4月ロイター企業調査によると、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に日本が不参加でもデメリットは特に感じないとする企業が8割にのぼることがわかった。

現在、アジアでインフラ関係の事業に携わっていないなど直接の影響がないとの理由が目立ち、将来のビジネスチャンス喪失への不安に言及している企業は少ない。参加の前提として、透明性などの条件が満たされるべきと考えている企業が7割を占めたほか、参加する必要なしと回答した企業が4分の1を占めた。

今年度の製品・サービスの値上げ見通しについては、値上げ実施企業が4割弱と1月調査に比べて増加した。値上げの理由として7割が原材料コスト上昇を挙げたが、その割合は1月よりやや低下し、むしろ人件費上昇を理由に挙げる企業が増えた。

また自社の株価について、自社の価値と比べて割安になっているとの回答が4割強を占めた。適正な株価を目指すための方策としては「ROE(自己資本利益率)の向上」を挙げる企業が半数を占めた。

この調査はロイター短観と同じ期間・対象企業で実施。資本金10億円以上の中堅・大企業が対象。4月1日─15日に400社を対象に行い、回答社数は250社程度。

<AIIB不参加でも影響なし、参加不要4分の1>

日本がAIIBに不参加となった場合にデメリットを「大いに感じる」との回答は全業種にわたりゼロだった。「やや感じる」が16%。一方「あまり感じない」が51%、「全く感じない」も33%だった。製造業の方がややデメリットを感じる企業の割合が多かった。

デメリットとして、製造業からは「AIIBが手掛ける事業で日本企業の参加が制限される恐れがある」(機械)、「参加しないと需要をどこまで取り込めるか不安」(輸送用機器)など、ビジネスチャンスを逃しかねないとの意見が聞かれた。非製造業にも「日本企業の海外進出や投資が、巡り巡って国内景気に影響する」(食品)、「顧客企業のアジア進出にマイナスになりかねない」(卸売)といった懸念がある。

他方、デメリットを感じないとする企業の理由としては「よくわからないから」との回答が目立った。また、「直接的な影響を受けるとは考えにくい」(輸送用機器)、「アジアでのインフラ投資とは関係ない」(化学)、「海外展開はしていない」(鉄道)などと、現状の事業展開からみて影響なしとする回答が多かった。

日本の参加の是非については「透明性など条件が満たされれば参加すべき」との回答が72%を占め、「参加しなくてよい」も24%と、現状では参加に消極的な意見がほとんどのようだ。「無条件で参加すべき」は4%だった。

「内容がよくわからない」との回答が目立つほか、 「中国の影響が強く出る可能性があり、本来の目的どおり投資されるのか心配」(建設)、「どのように運営されるのか不透明」(多くの企業)などといった懸念が大きい。

<値上げ予定企業が増加、人件費高騰で>

物価動向を占う上で注目される企業の価格設定について尋ねたところ、今年度、自社の製品・サービスの値上げを実施・検討している企業は、1月調査の32%から今回は38%に増加した。値上げの理由で最も多かったのは原材料コストの上昇で69%を占めたが、1月調査の73%からは減少。代わって、人件費上昇が29%と、1月の21%から増えた。需要好調を理由にした値上げも12%と、1月の8%から増えた。

ただ、値上げ率は1月調査よりも小幅になっている。1─5%未満の値上げ率が60%で最も多く、1月調査と同じだったが、5─10%と10%以上の値上げ率は1月より減少。代わりに1%未満の値上げ率が6%と、1月の2%から増えた。

<自社の株価は「割安」が4割>

現在の自社の株価を、会社価値に照らしてどう評価しているか尋ねたところ、「適正」との回答が51%を占めた。「割安」との回答も43%にのぼり、特に素材業種では半数以上の企業が割安感を感じていることがわかった。

適正な株価とするために「ROEの向上」を挙げた企業が54%を占めた。「収益性を客観的に表す指標として重視しており、目標は10%以上。増配と自社株買いも実施」(建設業)といった声もある。一方で「ROEは業績の一面的な見方でしかなく、ROE至上主義に誘導するのは危険」(化学)との意見もある。

次いで、「経営の透明性向上」が23%、「株主への増配」が14%を占めた。

「社外取締役導入などガバナンス強化」は7%にとどまった。「外からの目線でガバナンスを効かせ、資本効率を上げるべき」(化学)といった声もあるが、「これで収益力が上がるとは思えない。事業を知らない社外取締役は不要」(サービス)といった指摘もある。

過去1年間に海外M&A(合併・買収)を検討もしくは実施した企業は、23%を占めた。中でも輸送用機器では、5割弱の企業が実施・検討と回答。次いで、化学や鉄鋼も4割弱となった。

その理由として「海外市場への進出」を挙げた回答が全体の半数を占めた。特に、卸売や情報サービス、一般サービスでは、その多くが海外進出にM&Aを利用している。

次いで「マーケットシェアの拡大」が32%となった。電機や運輸では、それぞれ半数の企業がシェア拡大を目的としている。

中川泉 梶本哲史 編集:石田仁志

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