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アングル:中国で信用取引急増、ささやかれる「株価急落リスク」
2015年1月30日 / 07:48 / 3年前

アングル:中国で信用取引急増、ささやかれる「株価急落リスク」

[上海 29日 ロイター] - 中国の株式市場では近年、信用取引が急増している。当局は投機的な動きを抑制しようと監視を強めているが、銀行の積極関与もあってブームはますます過熱。株式市場が一転して下落に転じた場合、中国の銀行システム全体がリスクにさらされる、との懸念も一部でささやかれている。

 1月30日、中国の株式市場では近年、信用取引が急増。当局は投機的な動きを抑制しようと監視を強めているが、銀行の積極関与もあってブームはますます過熱している。上海の証券ブローカーで19日撮影(2015年 ロイター/ALY SONG)

銀行が信用取引に関与する仕組みはこうだ。証券会社がまず、信用取引をする投資家に資金を貸し出す(マージンローン)。銀行はそのマージンローンを担保にして、当該証券会社に対して融資を行う。銀行は手っ取り早く利益を得ることができ、また証券会社も貸し出しを増やすことができる。

中国当局は最近、株式市場への信用マネー流入を取り締まっている。ただ、金融関係者は、銀行の融資が証券会社を介して株式市場に流れる仕組みに関しては、規制がかからず放置されている、と指摘する。

中国の大手会計事務所で証券会社の監査を担当するある幹部は「マージンローンのうち、18─20%程度が結局、銀行に移っているのではないか」とし「増加しているのは確か」と述べた。

証券会社は最終的には、資金を銀行に返済して担保を取り戻すことになるが、2009年のように相場が急落すれば、それも難しくなる。

2009年当時、投機的取引の大半は、信用ではなくキャッシュで行われていたため、影響は限定的だった。しかし、中国当局はそれ以来、マージンローンの規制を撤廃。現在の信用取引急増をもらたした。

モルガン・スタンレーのジョナサン・ガーナー氏とララ・ワン氏は、リサーチノートのなかで「株式市場に対するリスクは、中国経済の成長鈍化が依然として続いていること」と指摘する。投資家は担保を守るため保有株を売ることになるため、マージンローンは下方への動きを増幅させると説明。リスクを高める要因になると述べた。

上海市場におけるマージンローン残高は、全体の時価総額のおよそ3%。昨年11月時点のデータではニューヨーク市場は1.8%だ。

上海証券取引所のデータによると、上海市場におけるマージンローン残高は26日現在、7760億元(1243億ドル)となっている。

一部の銀行では、担保として受け入れたマージンローンを理財商品(WMP)として再組成し、個人投資家に販売している。東莞銀行など中小銀行のほか、中国農業銀行を含む大手行も参入しているという。

<中国当局、信用取引の全面禁止は望まず>

中国の株式市場は現在、同国における数少ない明るい材料の1つであるため、中国当局もマージンローンを全面的に禁止することは望んでいない。そのため、株式市場を急落させないよう政治的な圧力が強い。

モルガン・スタンレーのジョナサン・ガーナー氏は「当局は依然、市場での信用の利用が徐々に拡大することを望んでいる」と指摘する。

中国当局にとって課題は、そのバランスをとることだろう。

INGのアジア調査部長、ティム・コンドン氏は「信用が野放図に拡大すれば金融システム全体の脆弱性が高まることになる」と述べた。

Engen Tham記者、Pete Sweeney記者 翻訳:吉川彩 編集:加藤京子

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