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焦点:大手行決算、積み上がる現金・預け金 運用難で行き場なく
2017年5月15日 / 12:04 / 4ヶ月前

焦点:大手行決算、積み上がる現金・預け金 運用難で行き場なく

 5月15日、大手銀行グループの2017年3月期決算で、銀行のバランスシートに現金・預け金が積み上がっていることが鮮明になった。都内で2015年撮影(2017年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 15日 ロイター] - 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306.T)など大手銀行グループの2017年3月期決算で、銀行のバランスシートに現金・預け金が積み上がっていることが鮮明になった。

日銀のマイナス金利政策で運用難に追い込まれ、運用ポートフォーリオのリバランスが進んでいないことを示している。

三菱UFJとみずほフィナンシャルグループ(8411.T)、三井住友フィナンシャルグループ(8316.T)が抱える2017年3月末の現金・預け金は、合わせて157兆5000億円で、前年同期よりも23%増加。日本銀行が2013年4月に打ち出した異次元緩和直前の13年3月末と比べると約4.5倍の規模に達した。

13年3月期と比べると、顧客からの預金は34%増。貸出は19%増、国債を含む有価証券は81%減少した。

三菱UFJフィナンシャル・グループはこの1年間で預け金勘定が14兆円増え、17年3月期には過去最高の63兆5000億円。平野信行社長は会見で「これが理想の姿だと思っているわけではない。今後、この資金を積極的に活用していく」と語った。

現金・預け金は日銀当座預金に積み上がっているのが大部分で、各行ともマイナス金利レイヤーには突入していないものの、低採算資産であることは間違いない。銀行の収益力の低下に一段と拍車を掛けているのが現状だ。

大きく膨らんでいる理由の1つは、高い水準で流入が続く顧客からの預金だ。貸出も増えているものの、融資した資金は最終的に銀行に還流してくるため、貸出の増加とともに預金も増える両建ての構造になっている。加えて、運用難に直面した企業や機関投資家の資金が銀行預金になだれ込んでいる。

みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長は決算会見で「運用できる以上の資金が集まっているというのが正しい」と述べた。

銀行も運用ポートの多様化や高度化に取り組んではいる。「やるべきことはやっているが、例えば、海外の有価証券投資はリスクを伴う。リスク・リターンのバランスを見てどのようにすべきか考えなければらならない」(佐藤社長)。実際、一部の大手銀行は昨年後半の米金利の上昇を受けて、17年3月期に米債投資で損切りを実施した。

実質金利を引き下げることで、設備投資需要の喚起を企図した異次元緩和策。だが、三井住友フィナンシャルグループの国部毅社長は「金融仲介機能を発揮させ融資に振り向けたい。しかし、企業の立場に立つと金利が下がったからと言ってすぐに設備投資とはならない。日本の期待成長率が高まらないと、国内投資には踏み切れない」との見方を示す。

大和総研の菅谷幸一研究員は「現金・預け金が滞留しているのは、運用難であることの表れ。証券運用にしても貸出にしても運用先が見つからない。全体でみれば本当の意味でのリバランスが起きているとは言えない」と語っている。

布施太郎、浦中大我 編集:田巻一彦

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