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日銀、金融政策の現状維持決定 MRFをマイナス金利から除外
2016年3月15日 / 03:57 / 2年前

日銀、金融政策の現状維持決定 MRFをマイナス金利から除外

 3月15日、日銀は金融政策決定会合で1月に導入したマイナス金利付き量的・質的金融緩和政策(マイナス金利付きQQE)の現状維持を賛成多数で決定した。都内で2014年1月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 15日 ロイター] - 日銀は15日の金融政策決定会合で、1月に導入したマイナス金利付き量的・質的金融緩和政策(マイナス金利付きQQE)の現状維持を賛成多数で決定した。マイナス金利の副作用に配慮する形で個人投資家の決済手段であるマネー・リザーブ・ファンド(MRF)のマイナス金利適用除外を導入した。

海外を中心に景気判断を小幅下方修正したほか、黒田東彦総裁はマイナス金利の効果が十分に発現せずとも必要ならば追加緩和に踏み切る意向を示し、緩和期待温存で市場安定に配慮した格好だ。

<マイナス金利維持に2委員が反対>

金融政策は、マネタリーベースと長期国債保有額を年間約80兆円増加させることや、日銀当座預金の一部にマイナス0.1%の金利を適用するマイナス金利付きQQEの継続を決定した。

このうちETF(上場投資信託)については、保有残高が3月末までは現行の年間3兆円増、4月以降は3.3兆円増加するペースで買い入れを行う。3000億円の増加分は、昨年12月の会合で決めた「設備・人材投資に積極的に取り組んでいる企業」を対象とするもの。

採決では、マネタリーベース目標や国債買い入れなど量・質部分について木内登英委員が、マイナス金利について佐藤健裕委員と木内委員が反対票を投じた。

また、会合では当座預金残高のうちゼロ%金利を適用する「マクロ加算残高」について、MRFの受託残高に相当する額を加えることも決定。

MRFについては、証券投資の重要な受け皿として、信託銀行経由で日銀当座預金に入る資金をマイナス金利(現行マイナス0.1%)から適用対象外とするよう、証券界が要請。日銀もMRFが有する決済機能を重視し、要請を受け入れたかたちだ。

このほか、貸出支援基金と被災地金融機関支援オペの残高を増加させた金融機関に対し、今後は増加額の2倍をマクロ加算残高に加算する。

先行きの金融政策運営について日銀は、物価2%目標の実現のために必要な場合には「今後とも、量・質・金利の3つの次元で、追加的な金融緩和措置を講じる」とした。

<インフレ期待、このところ弱含んでいる>

景気については、海外経済の減速を背景に「新興国経済の減速の影響などから輸出・生産面に鈍さがみられるものの、基調としては緩やかな回復を続けている」とし、判断を下方修正。海外経済を「緩やかな成長が続いているが、新興国を中心にいくぶん減速している」とし、輸出についても「足もとでは持ち直しが一服している」にそれぞれ引き下げた。

もっとも、景気の先行きは「基調として緩やかに拡大していくと考えられる」としている。

物価面は、足元の消費者物価(除く生鮮食品、コアCPI)の前年比上昇率はゼロ%程度となっているとし、先行きも「当面ゼロ%程度で推移するとみられる」とした。もっとも、物価の基調は「着実に高まり、2%に向けて上昇率を高めていく」との見方を示している。

予想物価上昇率については「やや長い目でみれば全体として上昇しているとみられる」としながらも、「このところ弱含んでいる」とインフレ期待の低下に言及した。

<政策効果フルに分かるまで待つ必要ない>

黒田総裁は、マイナス金利を含め「金融政策は一定のタイムラグがある」としつつ、「政策の効果がフルに分かるまで待っていないといけないことはない」と述べ、必要であれば追加緩和に踏み切る姿勢をあらためて示した。その際の手段については「量、質、金利の3次元」と語り、今後は金利でなく資産買い入れによる追加緩和もあり得るとの見解を示唆した。

マイナス金利のMRFへの影響については「なにがしかの影響が出る可能性は考慮しており、その際どのような対応が必要かも考慮していた」と発言、今回の措置は「撤回などではまったくない」と強調した。

<MRF適用除外、マイナス金利の円安効果も相殺>

日銀会合の結果に関して、みずほ証券・チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏はMRF受託残高に対するゼロ%金利の適用について、「証券・投信業界の要望に基づいた現実的な措置と言える。一方で、為替の円高阻止効果をわずかながら相殺することにもつながる。こうした特例を認めるほど、マイナス金利政策の矛盾を露呈することになる」と分析している。

SMBCフレンド証券チーフマーケットエコノミストの岩下真理氏は、「景気判断を細かく下方修正しているので、4月の展望リポートで物価見通しだけではなく、経済見通しも下方修正される可能性が出てきており、市場で追加緩和期待が残ると考えている」と指摘。「仮に追加緩和があるとすれば、『量・質の緩和』になるのではないか」と予想している。

*内容を追加しました。

伊藤純夫 竹本能文

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