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日銀、17年度物価見通し小幅下方修正へ 2%達成シナリオ堅持
2016年7月22日 / 08:26 / 1年前

日銀、17年度物価見通し小幅下方修正へ 2%達成シナリオ堅持

 7月22日、日銀が29日に公表する「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、2017年度の消費者物価見通しは小幅の下方修正にとどまる見込みだ。写真は都内の日銀本店前で3月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 22日 ロイター] - 日銀が29日に公表する「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、2017年度の消費者物価見通しは小幅の下方修正にとどまる見込みだ。政府が策定中の大規模経済対策の効果を可能な限り反映する。物価が目標とする2%に向かっていく姿を維持し、2017年度中としている2%の到達時期の大幅な後ずれは回避される公算だが、金融政策判断は慎重に議論する。複数の関係筋が明らかにした。

日銀は28、29日に金融政策決定会合を開き、終了後に展望リポートを公表する。

展望リポートで目安としている生鮮食品を除く消費者物価(コアCPI)は5月に前年比0.4%下落と3カ月連続のマイナスとなり、物価の基調を反映するエネルギーも除いた指数(日銀版コアコアCPI)も同月に同0.8%上昇に鈍化するなど、足元の物価関連指標は日銀の想定よりも弱めに推移しているとみられる。

さらに英国の欧州連合(EU)からの離脱決定を受けてドル/円が一時100円割れとなるなど急激に円高が進行。足元では105円台に回復しているが、4月末の前回展望リポート時の110円近辺からは依然として円高方向の推移が続いている。

市場のリスク回避姿勢は後退しつつあるものの、英離脱決定を受けた不透明感を背景に国際通貨基金(IMF)が世界経済の成長率見通しを小幅ながら下方修正するなど、世界経済の不透明な状況に変化はないとの見方も少なくない。

こうした直接・間接のマイナス要因を背景に、4月展望リポートで示した物価見通し(政策委員の大勢見通しの中央値)である16年度0.5%上昇、17年度1.7%上昇の下方修正は避けられない見通しだ。

一方、原油価格が上昇に転じているほか、消費増税の延期に伴って経済の変動や実質所得への悪影響が回避されること、政府が8月2日に閣議決定する予定の大規模経済対策などが物価の押し上げ要因になる。

原油価格はドバイ産でバレル43ドル程度と4月末の35ドルから大きく上昇している。日銀では、経済・物価を見通す上で、足元35ドルから18年度にかけて40ドル台後半に緩やかに上昇していく前提を置いているが、想定よりも上振れている。

特に経済・物価の押し上げ要因として期待されているのが政府による経済対策だ。現段階で詳細や規模は明らかになっていないが、安倍晋三首相は1億総活躍プランの加速化やリニア中央新幹線の計画前倒しを含めたインフラ整備、中小企業の資金繰り支援などを柱に月内のとりまとめを指示。規模は国費で3兆円超、事業規模で20─30兆円に膨らむとの見方もある。

こうした大規模経済対策の効果が17年度を中心に経済・物価を押し上げることが想定されており、同年度の物価見通しは1.7%上昇から小幅の下方修正にとどまりそうだ。こうした対策効果の物価への影響は18年度も残るとみられ、18年度の物価見通しは現行の1.9%上昇から大きな変化はないとみられる。

このため、日銀では物価が目標とする2%に上昇率を高めていくとのシナリオを維持する見通し。2%の達成時期も現在の「2017年度中」との見通しから大きく後ずれすることは避けられそうだ。経済成長率見通しは消費増税の延期を受け、16年度は現行のプラス1.2%から下方修正、17年度は同プラス0.1%から上方修正となる。

もっとも、物価2%達成に向けた不確実性は高まっており、金融市場の不安定な状況も継続している。金融政策運営については、ギリギリまで情勢を見極めたうえで、慎重に判断する構えだ。

伊藤純夫 竹本能文 編集:石田仁志

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