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マイナス金利、金融引き締めにつながるおそれ=木内・日銀委員
2016年2月25日 / 02:40 / 2年後

マイナス金利、金融引き締めにつながるおそれ=木内・日銀委員

[鹿児島市 25日 ロイター] - 日銀の木内登英審議委員は、25日午前に鹿児島市内で講演し、日銀のマイナス金利政策がかえって金融機関の手数料の引き上げなど金融引き締めにつながるおそれがあり、日銀が国債購入で希望額を買えなくなる可能性があると指摘した。金融市場が危機的な状況に陥った場合には、円・外貨資金の「一時的大量供給」が望ましいと提案した。

 2月25日、日銀の木内登英審議委員は午前に鹿児島市内で講演し、日銀のマイナス金利政策がかえって金融機関の手数料の引き上げなど金融引き締めにつながるおそれがあり、日銀が国債購入で希望額を買えなくなる可能性があると指摘した。写真は都内で2014年1月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)

<金融機関の日銀への国債売却インセンティブ低下も>

木内委員は、2014年10月以降、日銀の金融政策に反対し、国債買い入れの減額を主張している。今回もマイナス金利により「金融機関が収益の悪化を補うため、貸出金利の引き上げや手数料の引き上げなど、コストを転嫁する可能性があり、逆に金融引き締めにつながるおそれもある」と批判した。

また、マイナス金利の導入により、保有国債の利回りよりも付利水準が低下すれば、「地銀をはじめ金融機関の多くは、保有国債を日銀に売却するインセンティブが低下する」とし、日銀が現在進めている年間80兆円(残高ベース)の国債を買い入れの「持続性・安定性を損なう可能性を懸念している」と述べた。

国債買い入れの限界が市場で意識されれば、長期金利上昇など「金融市場は不安定化し、実体経済に悪影響を及ぼす可能性もある」と指摘。マイナス金利導入には、国債買い入れ減額によって買い入れの持続性・安定性を高める手法が必要だと述べた。

その上で「金融経済情勢が著しく悪化するような危機的状況でのみ、妥当な政策手段」と述べた。

<危機には、円・外貨資金供給>

株式市場などでは、金融市場の振幅が大きくなっている中でも、国債買い入れ減額などを提案する木内委員を批判する声もある。しかし、木内委員は「減額提案しているからといって、金融経済環境が著しく悪化する場合、追加的な政策対応を行う術がないと考えているわけでない」と説明。危機的状況ならば「マネタリーベースの年間増加目標額にこだわらず、一時的に潤沢な円資金・外貨資金を供給を行うべき」と提案した。

<日銀のみで予想物価上昇率引き上げ難しい>

年初からの急激な金融市場の動きは「企業や家計の経済活動を慎重化させる可能性に留意したい」とし、「海外経済と金融情勢が日本経済の主要な下振れリスク」とした。

消費者物価指数で生鮮食品とエネルギーを除いた日銀版コアコア指数など、物価の基調を示す各種指標は、円安効果の一巡などにより「一段と高まる余地は大きくない」とし「4─6月頃に前年比で幾分下振れするリスク」も指摘した。

2%の物価目標は日銀が物価見通しを公表している「2017年度までを視野に入れても達する可能性は低い」「日本経済の実力をかなり上回っている」とした。人々の物価感である中長期的な予想物価上昇率は「日銀の政策のみで押し上げていくことは困難」と強調した。

竹本能文 編集:田巻一彦

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