Reuters logo
株が2万円回復、1年9カ月ぶり高値に:識者はこうみる
2017年6月2日 / 02:41 / 4ヶ月前

株が2万円回復、1年9カ月ぶり高値に:識者はこうみる

 日経平均株価は2日、取引時間中としては2015年12月2日以来、1年半ぶりに2万円を回復した。 2015年8月撮影(2017年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 2日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は1年半ぶりに2万円台の大台を回復。終値では2015年8月19日以来約1年9カ月ぶりの高値水準となった。ドル/円も111円台半ばに上昇後、底堅く推移した。

市場関係者の見方は以下の通り。

<クレディ・スイス証券 プライベート・バンキング本部CIOジャパン 松本 聡一郎氏>

日本株には出遅れ感があるほか、バリュエーションも高くない。1ドル100円を割り込むような円高が進むとも予想していない。110円前後であれば、企業には「心地良い」水準だ。日経平均.N225の前回高値2万0952円(2015年6月24日)が抵抗ラインになるとはみていない。

世界経済が成長を続ける中で、日本も輸出が伸び、設備の稼働率が上がってきている。設備投資も増えてきており、企業経営者のマインドも悪くない。期初に保守的な業績予想を示した企業が、今後上方修正する可能性も高まってきているとみていいだろう。

株価が前回高値を付けたときは政策期待が原動力で限界感もあったが、今回は企業業績改善など自律的な要因で上昇している。力強さは今回の方があるだろう。

ただ、このまま強気になれるかというと、日本企業全体が欧米の様に成長が期待できるという確信が持てているわけではない。日本株のレーティングは今年4月末にアンダーウエートから中立に引き上げたまま、据え置いている。

日本株で注目しているのは中小型のテーマ株だ。人工知能などのテクノロジー、世界的な労働人口減少の中での省力化技術、こうした分野に素材や部品で強みを持つ日本企業は少なくない。数年で終わるテーマではないだけに、長期的な投資ができよう。

<みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト 唐鎌大輔氏>

欧州中央銀行(ECB)理事会と英総選挙が行われる予定の6月8日に、コミー前連邦捜査局(FBI)長官の議会証言が重なった。2017年上半期の最後のヤマ場となりそうだ。

ECB理事会で、フォーワードガイダンスの文言(「主要金利が長期間ならびに我々の純資産購入を十分に超える期間、現水準もしくはそれを下回る水準で推移すると考えている」)が修正されるとの期待感もあり、ユーロが買われているが、欧州議会でのドラギ総裁の証言などを見る限り、今回の会合で引き締め的な修正をする可能性は低いと思われる。失望でユーロ売り圧力が強まり、クロス円を中心に円高になびきそうだ。

政治リスクの深刻化は円買いで処理されることが多く、コミー氏の議会証言も円高材料になる可能性がある。トランプ政権下では経済政策まで議論が及ばず、拡張財政もままならないとの見方から、ドル売り/円買いで反応することもあり得る。 

その後、英総選挙の開票結果を受け、英ポンドが大きく上下しそうだ。今のところ与党・保守党が勝利するとの見方が優勢だが、保守党が単独過半数を取れないシナリオも一部で警戒されている。その場合、メイ首相の求心力低下が懸念され、英ポンドは対円や対ドルで売られそうだ。法人税引き上げを主張する野党・労働党が勝利した場合も、英国経済の停滞が懸念され、ポンド売りという見方がある。

すべてのイベントが円買いに作用した場合、ドル/円は109円台前半まで下落する可能性がある。このところ110円台では国内勢の買いニーズも根強いが、海外発の円高圧力が続けば抗しきれないだろう。

<しんきんアセットマネジメント投信 運用部長 藤原直樹氏>

流れ自体は悪くない。2万円は心理的な節目という面があるが、リンク債にからんだ先物の売り需要が外れると、一時的に弾みが付く形となりやすい。決して弱気派ではないが、基本的には2万円に定着するのは時期尚早かと考えている。定着には国内企業業績の上方修正の蓋然(がいぜん)性が高まることが不可欠。1ドル115円の為替水準を織り込みにいけるかどうかがポイントとなる。

米国は足元では経済指標がまちまちとなっている。米長期金利もなかなか上がらない。ただ雇用状況がしっかりしていれば、消費や米企業業績の堅調さが維持できるだろう。米景気がピークアウトするということもないと考えている。9月の米利上げが視野に入れば、需給関係が重しとなっている米長期金利もじわりと上昇していくはずだ。1ドル115円台までの円安には時間が必要だ。

日本株については自動車株や金融株がしっかりしない限り、指数の伸びは見込みにくい。これらのセクターは、業績自体への期待は乏しいが、割安感が著しい。三菱UFJ(8306.T)のPBR(株価純資産倍率)は0.6倍台まで低下している。今期の想定為替レートを1ドル105円に設定するトヨタ自動車(7203.T)は、PER(株価収益率)が12倍台だ。過度に売られ過ぎている状態が続いている。円安とともに、自動車・金融株のバリュエーション修正が起きるだけでも、日経平均で2万1000円台までの押し上げ効果が期待できる。

<アムンディ・ジャパン チーフエコノミスト 吉野晶雄氏>

日経平均はようやく2万円を超えたが、当面のレンジは1万9500円―2万0300円程度とみている。確かに日本株はバリュエーション面での割安感があるが、収益のモメンタムは鈍い。2017年度の会社側予想が慎重すぎるのかも知れないが、アナリスト予想とのギャップを埋め切れない要素があるもの事実だ。前日発表の米雇用関連指標は好調だったが、足元の米自動車販売は減少が続いている。米CPIの弱さも一時的とは言えない状況だ。米景気が成熟期にあることを輸出企業の経営者も考慮しているのだろう。

今年のお盆明け以降、米経済への懸念が後退し、業績予想の上方修正が相次ぐ状況になれば、日経平均も新たにレンジを切り上げる可能性はあるが、当面は2万0300円程度が上限となり、上振れても2万0500円は難しいだろう。物色面では外需より為替の影響を受けにくい内需、特に生産効率化関連や人材サービス関連などが有望とみている。

*情報を更新しました。

0 : 0
  • narrow-browser-and-phone
  • medium-browser-and-portrait-tablet
  • landscape-tablet
  • medium-wide-browser
  • wide-browser-and-larger
  • medium-browser-and-landscape-tablet
  • medium-wide-browser-and-larger
  • above-phone
  • portrait-tablet-and-above
  • above-portrait-tablet
  • landscape-tablet-and-above
  • landscape-tablet-and-medium-wide-browser
  • portrait-tablet-and-below
  • landscape-tablet-and-below