米中活況の陰でたそがれの日本株、リスクマネーは米大型株へ
吉池 威記者
[東京 12日 ロイター] 米株式市場は連日の年初来高値更新、中国株式市場も堅調地合いが続くなか、日本株の「一人負け」が顕著になっている。
3―4日の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明で政策金利は当面据え置かれると市場で受け止められ、リスクマネーは買い安心感が出てきた米大型株に流入していると観測される。日本株低調の要因は大手銀行の決算発表を控えて動きにくいことや円高基調の継続、政策の不透明感だが、政治不信が底流との見方が少なくない。オバマ米大統領はあすから日本と中国を相次いで訪問するが、首脳同士の距離感に市場関係者の注目度も増している。
前日の米株式相場は、ダウ工業株30種とS&P総合500種が13カ月ぶり高値を付けるなど堅調な値動きを示した。高級住宅建設のトール・ブラザーズ(TOL.N: 株価, 企業情報, レポート)の堅調な業績見通しや中国の経済指標が世界経済の回復を裏付ける形となったほか、米連邦準備理事会(FRB)当局者が当分の間、低金利が続く可能性を示唆したことで地合いが強まった。
12日の東京市場は、SQ(特別清算指数)算出や大手銀行の決算発表を控えて動きにくい状況が続いている。また、円高基調の継続、政策に対する不透明感が上値を抑えているとの見方が広がっている。日興コーディアル証券エクイティ部部長の西広市氏は「上方向へ行くには抵抗が強い」との見方を示す。実際、今週に入ってから日経平均は1万円を目指す展開だが、上昇幅は限定的で、海外市場、特に米株価との違いが鮮明になっている。
米株式市場では、アルコア(AA.N: 株価, 企業情報, レポート)、キャタピラー(CAT.N: 株価, 企業情報, レポート)、ウォルマート・ストアーズ(WMT.N: 株価, 企業情報, レポート)など大型株がここ数日上昇している。FOMCは4日の声明で、景気回復に確信を示す一方で、政策金利は引き続き長期間ゼロ付近に維持する方針を示した。翌5日の取引でダウ工業株30種は終値で2週間ぶりに1万ドルを回復した。邦銀系の株式トレーダーは、FRBの低金利政策が長く続くとの観測から、投資先を求めていたリスクマネーが米大型株に流れていると指摘する。
一方、中国株式市場で上海総合株価指数は夏ごろに過熱感が広がった後に2600ポイント付近に下げたが、建国60周年に合わせるように9月末から反転、10月14日に3000ポイントを回復、足元では3200ポイントに上昇している。10月30日に取引が開始された深セン証券取引所のベンチャー企業向け市場「創業板(中国版ナスダック)」では、同日、上場した全28銘柄がザラ場で公募価格の倍以上となった。
その過熱ぶりには警戒感も広がっているが、さらに100件以上が創業板への上場申請を審査中。業界関係者は、少なくとも1000社が来年の上場を準備しているという。日本とはあまりにも対照的だ。東証によると、マザーズの新規上場企業数(外国企業を含む)は、2004年が57社だったが2007年は23社、2008年は13社に減り、今年はここまで20社にとどまっている。 続く...


