年金・金法の不動産私募ファンド投資が増加=大和総研

2010年 09月 2日 17:09 JST
 
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 [東京 2日 ロイター] 大和総研が実施した2010年度オルタナティブ投資調査によると、国内の年金基金、金融法人ともに不動産私募ファンドへの投資が増加した。「インフラ投資などと合わせ、インカム重視型商品への投資意欲が継続していることが確認された」(同社金融・公共コンサルティング部シニアアナリストの菅野泰夫氏)という。

 また、国内株価の低迷を受け、国内資産の新規採用を抑制したり、基本ポートフォリオを抜本的に変更したりする動きがある一方、新興国株式や新たなストラクチャー投資への関心が着実に増加しているという。

 大和総研は1034の年金基金と都市銀行、信託銀行、地方銀行、生損保などの金融法人346社に対し、5月24日─6月25日にアンケート調査を実施し、230の基金と118社の金法からの回答をまとめた。この調査は05年から実施しており今回が6回目。

 調査結果によると、オルタナティブ投資を実施している割合は年金が前年比2.3ポイント増の72.6%、金法が同2.9ポイント減の84.6%となり、小幅変動にとどまった。菅野氏は「05年以降に急増した後、08年のリーマンショック以降の減少サイクルを経て、成熟期に入り始めた」と分析する。

 オルタナティブ投資を実施している年金の投資商品のなかでは「ヘッジファンド」が93.4%と最も高く、金法では「仕組み債」が75.5%でトップだった。前年度と比較すると、「不動産私募ファンド」の採用比率が年金は前年比8.8ポイント増の24.7%、金法は同8.3ポイント増の25.5%となり、伸びが目立った。「サブプライムローン問題などの影響で、金融当局がノンリコースローンに対する規制を強化したことが不動産投資にマイナス影響を与えていたが、不動産市況の回復とともに新たなリスクマネーが流入した」(菅野氏)とみられる。 

 <年金のオルタナティブ投資が回復> 

 今年度に投資を検討している商品については、年金は「ヘッジファンド」との回答比率が62.5%と最も高く、金法では「ETF」が51.7%で首位だった。このほか年金は「インフラ投資」が15.4%、「プライベートエクイティ(PE)ファンド」が14.7%だった。

 今年度の年金の政策資産配分におけるオルタナティブ投資スタンスは、「現状維持」が62.8%と最も高かったが、「増やす」が26.6%と「減らす」の6.0%を上回り、金融危機後に激減したオルタナティブ投資に回復の兆しがみられる。ただ「ゼロにする」との回答も5.1%あり、その中には「ヘッジファンド投資のゲート条項等への抵触により資金償還に苦労した」との指摘もあったという。

 年金の今年度の投資戦略としては「(割安のため)ヘッジファンドを増額」との回答が26.9%、「(高いインカムゲインの獲得のため)コア型不動産商品やインフラファンドを検討」との回答が23.1%と高水準だった。菅野氏は「高いクーポン収入や安定的な簿価が確保できるインフラファンドへの期待が高い」(菅野氏)とみている。

  (ロイター日本語ニュース 大林優香記者)

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