大阪府営住宅の再開発、住宅・不動産会社の用地取得にメリット

2007年 10月 5日 12:40 JST
 

 [東京 5日 ロイター] 大阪府営住宅の再開発事業が住宅関連の材料として注目されている。大阪府は老朽化した府営住宅の建て替え事業を進めているが、その際、再開発で発生する余剰地を財政難もあって民間業者に売却。それが地価高騰でマンション建設や分譲住宅の用地取得に悩む住宅・不動産会社にとってメリットになっている。

 現在、自治体が住宅をはじめ公営施設の建設・建て替えを行う場合、財政難にあえぐ自治体が多いことから、「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法)」に基き、PFIを利用して事業を進めるケースが多い。そうした中、民間企業にメリットを与えるスキームとして注目されているのが、大阪府の府営住宅建て替え事業だ。

 一般的にPFIを利用した事業は、事業者自ら資金調達を行い施設を建設(Build)、契約期間に維持管理・運営(Operate)、事業期間終了後は行政に譲渡移管(Transfer)するBOT方式や、建設後に所有権を行政に移管し事業者が一定の事業期間内に維持管理・運営を行うBTO方式で進める。運営するPFI事業者は定期借地方式で用地を借り、公共施設用地は数十年単位の期限まで活用するケースが多い。

 大阪府営住宅の事業は、建設後に移管するだけのBT方式だが、特徴となっているのは再開発する際に生じる余剰用地を業者に払い下げる点だ。老朽化した現在の住宅は低層であるうえ用地が広い。新設する住宅は高層住宅となるため余剰地が発生、財政難に苦しむ大阪市はこれを施工業者に売却することで建て替え費用に充てる形になる。

 このスキームは大阪府の財政に貢献する一方、事業を行う開発会社にとっては良質な用地が安く取得することが可能になるうえ自由に開発できるメリットが生じる。大阪府の住宅経営室住宅整備課民活事業グループによると「今後も府営住宅の建て替えはPFIを活用し、余剰地を売却する方式で年間2件程度の事業を進めていく」という。

 大阪府の岸和田下池田住宅民活プロジェクトにおいて取得した余剰地で分譲住宅の整備を予定しているフジ住宅(8860.T: 株価, ニュース, レポート)の山田正明常務は「地価高騰で用地取得が難しくなる中で、良質な用地が取得できるこの事業から生じるメリットは大きい」と話す。

 同社以外で事業に参画する他の上場企業は、長谷工コーポレーション(1808.T: 株価, ニュース, レポート)が苅田住宅民活プロジェクトでダイドーサービス(非上場)と共同で余剰地に分譲マンションを建設するほか、10月1日には千里佐竹台住宅(2丁目)民活プロジェクトについて大和ハウス工業(1925.T: 株価, ニュース, レポート)が入札参加者の中で最優秀提案者に選ばれた。

 この方式による再開発は大阪独自のスタイルで、地域総合整備財団の自治体PFI推進センターの関係者は「財政難から今後も公営住宅の建設・建て替えはPFIを活用して進める自治体が多いと思われるが、独特と言える大阪の方式が先行き広がっていくかどうかわからない」と指摘する。  続く...

 
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