インタビュー:温暖化ガス排出権取引は全世界規模で=元Jパワー常務

2007年 10月 16日 14:47 JST
 

 [東京 16日 ロイター] 地球温暖化防止を、経済発展と両立させながら進めていく手法として期待される排出権取引。省エネルギーが進んだ先進国では二酸化炭素(CO2)など温暖化ガスの排出量を削減するコストが高いため、削減コストが低い国から排出権を購入し、経済的に排出削減を進めようとの発想だ。

 EU(欧州連合)は、域内の大規模な事業所に温暖化ガスの排出枠を割り当て、余ったり不足する排出量を売買する取引制度(EU―ETS)を2005年に開始。京都議定書には不参加の米国でもEUとの連携を目指す動きがある。

 日本では、環境省が同様の仕組みである国内排出権取引制度の導入を目指しているが、産業界が強く反対しており、実施は不透明。政府の審議会による報告書では、排出枠割り当ての対象が限定されているため「EU-ETSは必ずしも実質的な排出削減につながっていない」との指摘もあった。

 望ましい排出権取引とはどのようなものか。元通産官僚で電源開発(9513.T: 株価, ニュース, レポート)(Jパワー)常務などを歴任した安本皓信・地球産業文化研究所参与は、世界各国が参加する排出権取引制度を実現すべきと訴える。同制度のもとで石油や天然ガス、石炭などを生産、輸入する事業者に排出権の確保を義務付け、市場機能を活用しながら排出権取得コストを製品価格に転嫁すれば、効果的に排出削減を実現できるとしている。同氏へのインタビューで導入の仕組みや意義、課題などを聞いた。主なやりとりは以下の通り。

 ――石油や天然ガス、石炭などを産出、輸入する事業者に、排出権取得を義務づける制度を提案している。なぜそのような制度が必要なのか。また、どう運用する。

 「排出権を売買するために、何を利用するのが一番よいかといえば、当然、市場を利用することだ。EU―ETSは、EU全域におけるCO2排出量の4割、温暖化ガス全体では3割くらいしか取引の対象としていない。家庭や事業者など全て排出主体に排出枠を割り当てて、実際の排出量をチェックすることは不可能だ」

  「これに対し、原油を輸入している石油元売り会社などに輸入量に応じて排出権取得を義務付け、通関時に申告させれば、日本に入ってくる原油は全量、排出権を確保した形で燃焼される。産油国でも自国で消費する分は産出時に排出権が確保されているかをチェックすればよい。石油利用者に比べたら油田の数ははるかに少ないので、チェックがしやすい」

 ――石油会社や石炭を原料とする鉄鋼メーカーは輸入量に見合う排出権を確保するというが、どこでどうやって調達すればよいのか。  続く...

 
 

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