新生銀行、役員の関連ファンドがTOBと割当増資で32.6%の筆頭株主へ

2007年 11月 20日 19:03 JST
 

 [東京 20日 ロイター] 新生銀行は20日、同社のクリストファー・フラワーズ取締役の関与するファンドが株式公開買付(TOB)と第三者割当増資により、発行済み株式の32.6%を保有する筆頭株主になると発表した。

 フラワーズ氏はリップルウッドが新生銀行を買収した際の投資家側の主要人物だったが、傘下の消費者金融事業の不振で苦境に立っている新生銀の大株主として資金を再注入することになった。

 TOBと増資を引き受けるのは、フラワーズ氏が代表を務めるJCフラワーズなどのファンド。TOB価格は1株当たり425円で、買い付けの上限は発行済み普通株式数の22.7%。TOB成立を条件に、JCフラワーズは総額500億円の第三者割当増資を引き受ける。TOB価格は、新生銀行の過去3カ月の平均株価352円に対し20.7%のプレミアムを乗せた。

 JCフラワーズ関連のファンドには、ティエリー・ポルテ社長や杉山淳二会長も出資する見込みで、現経営陣による出資に発展する可能性もある。資金使途について新生銀は、1)法人向け金融業務、2)リテール向け業務、3)消費者金融事業――の3本柱の業務に投資するとしている。

 ティエリー・ポルテ社長は同日、ロイターとのインタビューに応じ、増資後の成長戦略について、引き続き消費者金融事業には注力し、撤退する考えはないことを表明。消費者金融事業は同行の不振の原因と指摘されているが、ポルテ社長は消費者金融事業のビジネスモデルの変更により、引き続き成長の可能性はあると指摘した。

 また、政府が保有する普通株1200億円(額面)と優先株969億円の公的資金の返済について「返済は急いでいない」と述べるとともに、「(優先株が普通株に転換されて)政府の議決権比率に占める割合が20%を超えても問題はない」との考えを示した。整理回収機構は8月、優先株1200億円分を普通株転換し、すでに12.68%を保有する筆頭株主になっており、残りの優先株を転換すれば23.9%の議決権比率を持つことになる。

 ただ、ポルテ社長は「(返済は)やる時にはやる。株価次第だ」と述べ、株価が上昇し、政府が保有株式を市場売却した場合には買入消却する方法にも含みを残した。

 また、同日開いた記者会見で、ポルテ社長はフラワーズによる投資回収(エグジット)について「株価が一定水準になったら売り抜けるというようなことはない。成長のための長期投資だ」と説明した。

 (ロイター日本語ニュース 布施 太郎記者)

 
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