原油価格高騰など、輸出企業の先行き業績に悪影響も=日銀審議委員

2007年 11月 22日 13:12 JST
 

 [広島 22日 ロイター] 中村清次日銀審議委員は22日、広島県金融経済懇談会であいさつし、足元の原油価格の高騰や為替相場が円高に振れていることを受け、輸出企業の先行きの業績に悪影響を与える可能性がある、との認識を示した。

 また、米国経済の先行きについては、ダウンサイドリスクが高まっていると指摘。仮に、米景気が一段と減速した場合には、日本経済に対しても少なからず影響が出てくる可能性がある、との見方を示した。

 <米住宅市場調整見極め判然としない>

 中村審議委員は、米経済について「住宅市場の調整が一段と厳しいものとなる場合や、金融資本市場の変動の影響が予想以上に広範なものとなる場合など、ダウンサイドリスクが顕現化すれば、信用収縮やマインドの悪化などを通じて、個人消費、設備投資が下振れ、米国景気が一段と減速する可能性も考えられる」と指摘。その場合には「他地域の成長にも悪影響がおよび、世界経済全体として下振れる懸念があり、日本経済に対しても少なからず影響が出てくる可能性がある」と述べ、先行き懸念を示した。

 また、混乱のきっかけとなったサブプライムローン(信用度が低い借り手向け住宅ローン)の不良債権化は、米国の実体経済に対して「担保物権の処分増加により住宅市場の調整を長期化させるリスクのほか、企業や消費者のマインドを悪化させて設備投資や個人消費を下押しするといった悪影響を与えかねない」と説明。先行きについては「どの時点で住宅市場の調整に見極めがつくのか、あるいは国際金融市場における証券化商品の価格形成に関する不透明感が払しょくされるのか判然としない」として、サブプライム問題が世界経済に与える影響と、日本経済への波及について「引き続き注意深く見ていきたい」と語った。

 <国内住宅投資は不透明感が強い>

 一方、国内経済にも気がかりな点が存在する。国内住宅投資は、新築住宅着工件数が改正建築基準法施行の影響で7月以降減少を続けている。中村審議委員は「法改正による影響が落ち着けば先行きは回復するものと考えられる」としながらも、「回復する時期やその規模については、不透明感が強いほか、法改正の影響が長期化した場合の建設財出荷や建築関連の中小企業の業績に及ぼす悪影響がやや懸念される」と語った。

 また、消費者物価指数(除く生鮮食品)も依然として水面下に潜ったまま。中村審議委員は、物価について「より長い目でみると、プラス幅が次第に拡大する」とこれまでの見方を繰り返したが、同時に上振れ・下振れの両リスクについても言及。下振れ要因について「グローバルな競争から企業のコスト削減の一環として、賃金の上昇を抑制する要因が強く作用する場合には、物価に対する下押し圧力が根強く残ることが考えられる」と説明。一方、上振れ要因に関しては「世界各国で原油関連製品や食料品など生活必需品の値上げが広がる中、日本でも、インフレ予想の上昇を伴いつつ、価格転嫁の動きが想定以上に強まれば、先行き物価が上振れる可能性も考えられる」と語った。加えて「中国経済の過熱感が強い中で、米国経済が速やかに潜在成長率並みの成長ペースに回復した場合、国際商品市況の一段高を伴いながら、米欧の中央銀行も懸念しているような世界的なインフレ圧力の増大につながるおそれもある」と警戒感も示した。  続く...

 
 
 
 
 
 

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