市場の動揺や米減速懸念などが経済のリスク要因=大田担当相
[東京 18日 ロイター] 大田弘子経済財政担当相は18日、衆院本会議での経済演説で、金融・資本市場の動揺や米経済減速懸念などが、経済のリスク要因であると指摘した。日本経済の課題では、現在の景気回復を長く持続させ、家計にも回復の実感を広げるとともに、人口減少とグローバル化の中で経済成長を持続できる新たな成長モデルの創出など3点を上げ、成長力強化と財政健全化の道筋をつける重要性を訴えた。そのうえで成長戦略を強化・再構築し、今春めどに新成長戦略を具体化することを明らかにした。
演説の冒頭、大田担当相は、世界の総所得に占める日本の割合が24年ぶりに10%を割り、1人当たりGDP(国内総生産)がOECD加盟国中18位に低下した事実を挙げ「もはや日本は経済は一流と呼ばれるような状況ではなくなってしまった」との危機感から切り出した。
その上で今の日本に求められることは、守りの姿勢に入ることでなく「世界に向けて挑戦していく気概を取り戻すことだ」とし、「成長力を強化し、その果実によって高齢化を乗り越え、安定感のある質の高い社会を目指していかなければならない」と語った。
第1の課題である足元の日本経済について「2002年初めを底とする息の長い景気回復を続けている」とした。しかし、これが賃金上昇に結びつかず、家計への波及が遅れ、地域間で回復のばらつきがあるとの問題点を指摘。「景気回復の実感を確かのものにするには、何より、この回復を息長く持続させることが必要だ」と語った。
そのうえで「3つのリスク要因がある」として、1)米サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題に端を発する金融・資本市場の動揺とそれが米国経済を減速させる懸念、2)原油価格の上昇が続き企業収益や国民生活への悪影響が続く懸念、3)建築基準法の厳格化で、住宅投資が大きく落ち込み、この回復が遅れる懸念──を列挙。
米国経済について「減速」懸念を明示し、最近の世界的な株価下落を映してサブプライム問題を契機とした金融・資本市場の混乱と併せて強い警戒感を表明した。
政策対応では、原油価格高騰対策を着実に実施するほか、地方再生戦略に基づき包括的に地域経済立て直しに取り組む。地域力再生機構創設のための法案を今国会に提出する考えを示したほか「物価安定の下で民需主導の景気回復が長く続くように、政府と日本銀行は、マクロ経済運営についての基本的視点を共有し、政策運営を行っていく」と述べた。
第2に、大田担当相は、日本経済は長い低迷を抜け出したものの「世界経済のダイナミックな変化に取り残され、今後も成長を続けていく枠組みはいまだでき上がっていない」と述べ、成長力強化のために、世界とつながるオープンな経済システム作りに取り組む考えを強調。サービス産業の活性化を通じ生産性を高める必要性などを訴えた。 続く...


