米政府系住宅金融機関のローン買い取り上限、30万ドル以上引き上げ=下院案
[ワシントン 24日 ロイター] 米下院が検討中の景気対策では、米連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)(FNM.N: 株価, 企業情報, レポート)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)(FRE.N: 株価, 企業情報, レポート)、連邦住宅局(FHA)が買い取り・保証するローン上限が30万ドル以上、引き上げられる見通し。
下院案によると、ファニーメイとフレディマックの買い取り上限を1年間に限って72万9750ドルに引き上げ、FHAの保証上限を同水準に無期限に引き上げる。現在の上限は、ファニーメイとフレディマックが41万7000ドルで、FHAは36万7000ドル。
米住宅市場は昨年夏ごろ低迷が深刻化。米金融機関はリスクの高い住宅ローンへの投資で巨額の損失を被っており、投資家はファニーメイやフレディマック、FHAを介さない住宅ローンを敬遠している。
ファニーメイとフレディマックは住宅供給の安定化を目的として設立され、現在は上場企業となっている。FHAは1930年代の恐慌後に設立された機関で、貸し手に対してローン返済を保証することにより、借り手が有利な条件でローンを取得できるよう支援している。
政府系住宅金融機関の買い取り上限が引き上げられれば投資家が住宅ローン市場に戻り、結果として住宅ローンのコストが低下する、と指摘されている。高額ローンの金利は最近、ファニーメイやフレディマックの買い取り対象となるローンを約1%ポイント上回っている。
カリフォルニア州、バージニア州北部、ニューヨーク州など住宅が高額な地域では、ローン金利が高く条件も厳しい。ペンシルベニア大学ワートンスクール(経営学部・経営大学院)のスーザン・ワクター教授は、買い取り上限引き上げはこれらの地域には恩恵、と述べた。
教授は「モーゲージ危機の影響は地域的に偏りがある」とし、住宅取得コストが下がることで「打撃の大きい地域を支援する」と話す。
一方、ファニーメイとフレディマックを監督する米連邦住宅公社監督局(OFHEO)のロックハート局長は、上限引き上げ案に「非常に失望している」と表明。局長は、監督に必要なツールを持っていないとし、これら機関の事業の拡大を容認すべきではない、と述べた。
そのほか一部の業界関係者も、ファニーメイやフレディマック、FHAの住宅市場での役割が過大と懸念。リスクが大きすぎるうえ、民間企業からビジネス機会を奪っているなどと慎重な見方も出ている。
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