厳しさ増す原料価格高、企業は来期も対応に苦慮か
水野 文也記者
[東京 31日 ロイター] 2008年3月期第3四半期決算の発表が本格化する中、収益面で各企業は厳しさを増す原料価格の上昇に苦しむ様子が浮き彫りにされている。ひところに比べて値上げが通りやすくなってきたことから、価格転嫁で克服しようする企業が多いが、中には値上げが追いつかないケースも少なくない。
今期はもちろん、来期についても対応に苦慮する企業が多いと想定される状況だ。
価格形成については多少のばらつきはあるものの、原油をはじめとする資源のほか、農産品などの商品市況が大幅に上昇しており、これがそのまま製造業のコストを圧迫する要因になっている。期初あるいは中間期末に想定した価格よりも上昇した商品も多く、2008年3月期の計画数値を狂わせるケースも目立った。
とりわけ原油価格については、1月に標準油種であるWTI原油先物が1バレル=100ドル乗せとなるなど昨年は一本調子で急騰。ドバイ原油価格で1バレル=85ドルを今期の前提条件としている新日本石油(5001.T: 株価, ニュース, レポート)では「開発部門で96ドル前後でかけたヘッジについて評価損を計上する一方、ガソリンなどの価格転嫁も十分ではない」(平井茂雄常務)という。新日本石油は31日、通期見通しについて上方修正したが、在庫影響(原油価格の上昇により、総平均法によるたな卸資産の評価が売上原価を押し下げる影響)を除いた営業・経常利益は、製品マージンの悪化から実質下方修正となった。
2007年10―12月期の連結営業利益が同11%減の1436億円となった新日本製鉄(5401.T: 株価, ニュース, レポート)の増田規一郎副社長は決算数値に関して「もう少し利益が上に行くかと思っていた」という。下期に予定していたコストダウンや価格改定は「予定通り進んだ」ものの「原材料が想定以上に上がっている」と述べた。
好調業種の中からは「原材料高は140億円利益を圧迫したが、コストダウンで吸収した」(スズキ(7269.T: 株価, ニュース, レポート)の広報担当者)、「市況高で吸収。陸上コストが圧迫する北米向けコンテナ船については運賃修復に努める」(商船三井(9104.T: 株価, ニュース, レポート)の米谷憲一専務)などの声が出るなど、企業努力や市況上昇、価格転嫁で克服するケースが目立つ。
第3・四半期決算が17年ぶりに過去最高更新となった松下電器産業(6752.T: 株価, ニュース, レポート)は商品価格の下落(1330億円)や原料価格の上昇(110億円)が利益を圧迫したが、合理化(1295億円)、固定費削減(140億円)、増収効果(326億円)などで全体を押し上げたという。 続く...





