インタビュー:新規出店競争は行わず、高齢化支えるインフラに=ローソン社長
[東京 3日 ロイター] ローソン(2651.T: 株価, ニュース, レポート)の新浪剛史社長は3日、ロイターのインタビューで、若者を顧客にした従来ビジネスモデルでのコンビニエンスストア(コンビニ)の出店は飽和状態にあると指摘。業界全体で現在約4万店の国内店舗は、最大で5万店が限度との考えを示した。こうした環境の中で同社は、新規出店競争は行わず、生鮮品も扱う「ローソンプラス」への転換を進め「高齢化を支えるインフラになりたい」と述べた。
<ローソンプラスへの転換進める>
新浪社長は「店舗数を競争する考え方は持っていない」と明言。同社は、2008年1月末で8599店舗を有しているが、筆頭株主となった九九プラス(3338.Q: 株価, ニュース, レポート)の約800店舗や日本郵政[JP.UL]との取り組みでの共同出店目標800店を加えれば、新浪社長が店舗数のメドとした1万店クリアは、すでに目前だ。
同社は、出店増で収益を上げてきたビジネスモデルをいち早く転換。「九九プラス」のノウハウを生かし、生鮮品も扱う「ローソンプラス」に転換することで、新しい顧客の取り込みを狙う。従来のように若者を主要顧客とするコンビニから「高齢化を支えるインフラになっていきたい。思い切って投資をして、生鮮品を扱える仕組みに変えている」という。高齢化が進む地方において、近場にあるローソンで生鮮品も含めた必要なものが買える、という店舗を目指す。また、同社が比較的弱い首都圏でも「これまでは若者の客数の多いところに出してきたが、九九プラスと一緒に生鮮コンビニのモデルをもっと良いものにすれば、出店できる立地は増えてくる」とし、首都圏強化に向けた「強み」とする方針。
2009年2月期の既存店からの転換は「(08年2月期同様)1000店に近い数字をローソンプラスや生鮮コンビニに変えていく」とした。これまで3ケタの純増をしてきた従来のローソンは「2ケタの純増で十分」との考えを示し、すでに良い立地で展開している他社との提携でネットワークを広げることを強化する方向を示した。
海外の出店については、現在285店舗ある上海をいかに拡大していくかが課題とし「今は上海市内しかないが、近郊も出店余地がある」とした。他のアジアについても「早期に実行できるようにしたい。パートナーに打診しながら検討中」とした。
また、ATM戦略は「単純にATMではなく、電子マネーも意識していく。ややこしくもあれ、チャンスでもある」と述べた。
<国内コンビニ出店余地、最大で1万店>
2007年12月末現在、コンビニは全国で4万0929店。新浪社長は、国内でのコンビニの出店余地について「最大で5万店が良いところだ。従来の若者向けのモデルでは、3万店で十分過ぎる。5万店の規模は、新しい顧客を呼び込まなくてはならない」と指摘する。コンビニ業界は、依然として出店競争をしているが、3年もしないうちに、異なるモデルでの競争に変化するだろうとの見通しを示した。
始まったばかりの2009年2月期も「消費心理は非常に厳しい年になる」とし「今後、オーナーを集めるのが難しくなる。消費者に選ばれる、かつオーナーにも選ばれることが重要な経営課題になっている」とした。
業界内でのM&A(企業の買収・合併)の動きについても「新しい店を出すより、今ある良い立地で中小のチェーンがよりコンソリデーションの波に飲み込まれる可能性が高い。大きなチェーンに入った方がITや商品の粗利益が違うため、収益になる。中小のコンソリデーションはどんどん進んでいく」と語った。
結果、5―6年後に、業界内でのコンビニチェーンの数は「4社がいいところだ」との見通しを示した。
<株主還元、より高めることを考える>
新浪社長は、株主還元について「重要なことだと思っている。前期(08年2月期)は自社株買いをして、消却した。配当も上げている。株主へのリターンは、十分果たしつつあるが、今の水準で十分とは言えない。より一層、株主には期待してもらえるようにしたい。株主還元はより高めることを考えていきたい」と述べた。ただ、同時に「M&Aに備えることも必要」とし、手元流動性もある程度必要との認識を示した。
ローソンは、05年2月期は年間配当70円、06年2月期は90円、07年2月期は100円、08年2月期は110円の予想と、毎年、配当を引き上げている。
(ロイター日本語ニュース 清水 律子、浦中 大我、石田 仁志)
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