米リセッションめぐる議論、どう抜け出すかが焦点に

2008年 03月 10日 17:30 JST
 
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 [ワシントン 7日 ロイター] 米労働省が7日発表した2月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が2カ月連続で減少となった。これを受け、今や米経済がリセッション(景気後退)入りしたかどうかではなく、どのように抜け出すかが問題となってきた。

 エコノミストの多くは依然として、利下げと米政府の景気刺激策の戻し減税により米経済は今年後半に回復すると予想している。ただ一部では回復は2009年にずれこむとの声が出始めている。

 2月の非農業部門の雇用者数は6万3000人減少し、1月の2万2000人減(改定値)に続き2カ月連続のマイナスとなった。12月の数字は前回の8万2000人増から4万1000人増に修正された。

 失業率は4.9%から4.8%に低下したが、これは職探しをあきらめる人が増えたことを反映しているに過ぎない、との声が聞かれた。

 グローバル・インサイトのチーフ米エコノミスト、ナイジェル・ゴールト氏は「今や議論となるのはリセッションかどうかではなく、どれだけ深刻かという点だ」と指摘した。 

 <差し戻し減税は遅すぎるとの見方> 

 消費者はすでに住宅市場の低迷と食品・エネルギーの価格上昇の影響を受けている。6日発表された統計によると、第4・四半期の米家計純資産は5年ぶりに減少。貯蓄率は過去数カ月、ゼロ付近にとどまっている。

 クレジット市場の混乱で銀行は貸し出し基準を強化。消費者は住宅や自動車のローン金利を低くおさえることが難しくなっている。

 ホワイトハウスは米経済が「低成長」の期間に入ったことを認めており、最近議会を通過した総額1680億ドルの景気刺激策で対応する方針を示している。

 リーマン・ブラザーズのエコノミスト、イーサン・ハリス氏は、小切手による差し戻し減税は景気浮揚には不十分と指摘。「減税の小切手はリセッション回避には遅すぎる」とし、米経済は第1、第2・四半期はマイナス成長になるとの見方を示した。

 さらに「われわれは穏やかなリセッションを予想しているが、リセッションかリセッションでないかの議論に固執しないことが重要だ。より基本的なポイントは、米経済は非常に弱い成長の期間が長引く公算が大きいということだ」と述べた。

 米景気対策で期待できるのは、企業に支出を促す税制優遇で、景気下振れの影響を緩和すると考えられている。

 今回の雇用統計でわずかな希望の兆しと言えるのは、弱い労働市場によってインフレ圧力が後退し、米連邦準備理事会(FRB)が利下げを実施しやすくなること、とみられている。

 FRBはすでに、9月半ば以降2.25%ポイント金利を引き下げており、次回3月18日の連邦公開市場委員会(FOMC)でも0.5%ポイントの利下げは確実とみられている。ゴールドマン・サックスのエコノミスト、ジャン・ハツィウス氏は、FOMC前の緊急利下げも問題外ではない、とみている。

 JPモルガンのチーフエコノミスト、ブルース・カスマン氏は、3月FOMCで0.75%ポイント、4月に0.5%ポイントの利下げがあると予想している。

 同氏は「米経済は第1・四半期にリセッション入りしたとみるのが妥当だろう」と述べた。 

(ロイター日本語ニュース 原文:Emily Kaiser 翻訳 中田千代子 編集 吉瀬邦彦)

 
 
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