春闘3年連続賃上げ、経営環境悪化で上げ幅は前年並み
[東京 12日 ロイター] 2008年春の労使交渉は12日、金属労協に加盟する自動車、電機など大手組合に対し経営側が一斉回答した。おおむね3年連続の賃上げとなったものの、前年以上の上げ幅要求に対しては経営側が慎重な姿勢を崩さなかった。
米サブプライムローン(信用力の低い借り手向け住宅融資)問題に端を発した米経済の減速や円高、原油高など、急速に広がる先行き不透明感が影を落とす結果となった。
賃上げを要求しているのは55組合で、午後4時時点で妥結した46組合のうち44組合が賃金改善を実現した。会見した金属労協の加藤裕治議長は「必ずしも十分とは言えないが、06年、07年で作った(賃上げの)流れを継続し、少しでも上向かせるという使命を果たすことはできた」と語った。一方で「年明け早々からさまざまな逆風が吹いた。3月になって急激に円高が進んだこともあり、(労使)交渉は難航を極めた」とも語った。
相場形成のリード役であるトヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)は、ベースアップに相当する賃金改善分を昨年と同じ1000円で回答した。今年度に最高益更新を見込む業績好調を背景に、3年連続の賃上げとなったが、組合が求める賃上げ幅1500円には応じなかった。会見したトヨタの小澤哲専務は1000円の賃上げにとどめた理由として、急激に進む円高や原油高、米経済の減速を指摘。「先行きに不透明感が強まっている」と述べた。ただし年間一時金については好業績を反映し、253万円の要求に満額で回答した。
ホンダ(7267.T: 株価, ニュース, レポート)も組合の要求1000円に対し、800円で回答した。同社も業績好調が続くため賃上げには応じたが、昨年実績の900円を100円下回った。
一方、成果主義を採用する日産自動車(7201.T: 株価, ニュース, レポート)は、昇給の原資となる「平均賃金改訂額」の要求7000円に満額で回答した。昨年度に減益決算となった同社は、今年度は増益に転じる見込み。昨年の賃上げ実績は7000円の要求に対し6700円だった。
<電機大手は1000円で横並び回答>
組合側が2000円の統一要求を出していた大手電機各社の賃上げ回答は、横並びの結果となった。松下電器産業(6752.T: 株価, ニュース, レポート)と東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)、三菱電機(6503.T: 株価, ニュース, レポート)、NEC(6701.T: 株価, ニュース, レポート)はいずれも1000円で回答した。昨年実績も2000円の要求に対し1000円で、前年と同水準となった。 日立製作所(6501.T: 株価, ニュース, レポート)の回答額も2000円の要求に対し1000円。業績の回復を反映し、昨年実績の800円程度(要求は2000円)から上積みした。
隔年で交渉している新日本製鉄(5401.T: 株価, ニュース, レポート)や神戸製鋼所(5406.T: 株価, ニュース, レポート)など鉄鋼大手は、深夜労働の割り増し手当てを現在の30%から33%に引き上げることなどが決まった(要求は35%)。2年間で1500円の賃上げに相当する。
(ロイター日本語ニュース 久保 信博記者)
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