日銀法改正による福井総裁延長論も浮上、野党の賛成取り付けが条件

2008年 03月 13日 20:33 JST
 
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 [東京 13日 ロイター] 19日の任期切れを直前に控えて難航する日銀総裁人事で、福井俊彦・現日銀総裁の暫定的な任期延長論が政府・与党内に浮上している。ただ、実現の手段となる日銀法の改正案は、民主党など野党の賛成がなければ成立させることができない。

 この点をどのようにクリアするかがポイントになる。 

 「日銀法改正も含めて新たな提案をするかも知れない」──。自民党の大島理森・国会対策委員長は13日、山岡賢次・国会対策委員長との会談で、総裁空席を回避するための日銀法改正の可能性に言及した。

 大島・山岡会談では、参院での不同意を受けて白紙に戻った日銀総裁の後任人事について協議。大島委員長から与党側が日銀法改正を含めて新たな提案をする可能性の言及が飛び出した。

 現日銀正副総裁の任期切れが目前に迫る中で、依然として与野党合意の見通しは立たず、緊急避難的に総裁の任期を延長させることを含む法改正が念頭に置かれている。

 米サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題に端を発した金融市場の混乱が深刻化する中、総裁自体が不在となる事態を回避したいとの思惑は与野党ともに一致している。「何としても総裁空白は避けなければならない」(関係者)との危機感が与党を突き動かしている。

 福田康夫首相は13日夜、記者団に「いろいろな考え、意見があると思う。(日銀総裁の)空白は作りたくない」と述べ、検討余地があることをにじませた。

 日銀法24条では、総裁、副総裁および審議委員の任期を5年と定めており、再任も可能としているが、暫定的な任期延長などは明記されていない。

 米国では、現職の米連邦準備理事会(FRB)議長の任期が切れても、後継者が議会で承認されるまでの間、臨時議長として継続できる制度となっている。

 これに対して日本では「一党支配」が長く続き、現在のような両院で与野党の第1党が異なるねじれ国会で、政府の日銀総裁候補が同意されなかった場合を現行の日銀法はほとんど想定していなかった。また、総裁と副総裁3人の任期が同時に切れて、3人とも空席になるリスクも抱えている。こうした不備を改正することは中長期的には望ましい動きだが、今回の政府・与党内の動きは、19日の任期切れを前にしたあわただしさがぬぐえない。

 関係者によると、与野党で認識が一致できれば法改正自体は、それほど時間をかけずにできるとしている。だが、民主党など野党が、与党から提案された改正案に賛成するのか、今のところ不透明だ。野党の賛成がなければ、参院で改正案が可決できず、法案として成立しない。衆院可決後に参院へ送付されてから60日が経過すれば、衆院で再可決すれば改正案は成立するが、今回のような急場をしのぐことはできない。ここでも野党の賛成という壁が立ちふさがる。

 与野党間の攻防の果て、窮余の策で一時しのぎすることの是非が問われそうだ。

 (ロイター日本語ニュース 吉川 裕子記者、伊藤 純夫記者;編集 田巻 一彦)

 
 
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