来週の外為市場、米経済の懸念払しょくされず再びドル下値を模索する展開も
[東京 21日 ロイター] 来週の外為市場では、米国経済のリセッション(景気後退)懸念が払しょくされていないため、米経済指標をにらみながら再びドルの下値を探る展開になりそうだ。ドル売りの流れが続いており、ポジションが落ち着けばドル売りが加速する可能性が指摘されている。
ただ、年度末を控え短期投資家などは動きづらいとの見方から、狭いレンジ内でのもみあいになるとの予想もある。一方ユーロは、ドル安トレンドの再開を背景に、ユーロ/ドルが強含むとの見方が出ている。足元の経済の強さを見極める意味で、26日発表の3月独IFO業況指数などユーロ圏の経済指標が注目されそうだ。
予想レンジはドル/円が97―102円、ユーロ/ドルは1.53―1.56ドル
<米経済指標は引き続き弱含み、ドル/円は下値模索との見方>
24日から始まる週は、米リセッション懸念が広がるなか、引き続き米経済指標や株価動向をにらんだ展開になりそうだ。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)のヘッドオブFXストラテジー、山本雅文氏は「ドルの上値の重さを確認しつつ、発表される経済指標を基に米景気の減速度合いを見極め、再び下値を探る展開になる」との見方を示す。
注目される指標は、2月米中古住宅販売(24日)、3月米消費者信頼感指数(25日)、2月米耐久財受注、2月米新築1戸建て住宅販売(26日)などだ。山本氏はドル/円の値動きについて、こうした指標をにらみながら「17日に付けた95円台をうかがう展開になる」と予想。95円台を下回る場合には、次のターゲットとして92円台が視野に入ってくるとの見方を示す。
一方、新光証券の通貨ストラテジスト、鈴木健吾氏は米連邦公開市場委員会(FOMC)や主要な金融機関の決算発表といった材料が出尽くしたほか、「東京では期末を控えており、短期筋が動きにくいので、上値、下値とも突き抜ける感じではない」と指摘。ドル/円は「上値で売り遅れた投資家の売り、下値では買い戻しが入りやすい」とし、今週に比べれば狭いレンジ内でもみあうとの見方を示している。 海外ではイースター休暇で休場となる市場もあり、週明けの取引の出足は鈍いとみられている。20日付の英フィナンシャル・タイムズは、英ヘッジファンドのエンデバーキャピタルが17日の東京円債市場で資産の4分の1に相当する損失を出した、と伝えた。市場では、こうした金融市場の不安を増幅させるような話題がくすぶっており、「目先の値動きは予想しづらい」(邦銀)との声が出ている。
<ユーロは強含み、ドイツIFO景況感指数に関心>
26日にはトリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁の欧州議会での証言が予定されている。ユーロ相場に関してRBSの山本氏は、ドル売りポジションの調整が一服した場合、ユーロ圏の当局者からユーロ高けん制発言が出てくる可能性を指摘する。そうした発言などを警戒しながらも、「ドル安トレンド再開を背景に、ユーロ/ドルは強含みの展開が予想される」としている。26日発表予定のドイツIFO景況感指数に関しては「市場予想を大きく下回らない限りは、ユーロの大幅下落はない」との見方を示す。
ユーロ/ドルは17日、一時1.5905ドルを付けて史上最高値を更新。ECBの為替介入の可能性も取り沙汰されている。ただ、ECBは今のところ口先介入にとどめる考えとみられており、FRBと協調してドル安阻止に取り組むことを検討するには1.65ドルへと急伸する必要がある、との見方も出ている。INGの為替戦略責任者、クリス・ターナー氏は「ユーロ高が1.60─1.65ドルまで進行するまで介入があるとは思わない」と話す。
<日本はCPIに関心も、金融政策手詰まりで反応薄の見方>
2月全国消費者物価指数(CPI)が28日に発表される。ロイターがまとめた民間調査機関の予測では、コアCPIの予測中央値は前年比0.9%の上昇となった。1月(同プラス0.8%)から伸び率が拡大する見通し。予想通りとなった場合は1998年3月(プラス1.8%)以来の高い伸び。同月は消費税率引き上げでかさ上げされた面があり、それを除くと94年5月(プラス1.0%)以来の水準となる。
ただ、日銀総裁人事が迷走を続けており、19日に任期を終えた福井俊彦総裁の後任が決まってない。日本の金融政策について手詰まり感が広がっていることもあり、CPIへの反応は限定的になるとみられている。民主党の鳩山由紀夫幹事長は21日の定例会見で、日銀総裁が空席となる異常事態の責任は政府にあるとした上で、4月の金融政策決定会合や7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)を控え、政府の責任として新たな総裁案を提示し、4月7日までに新たな総裁を誕生させるべきだと述べた。
(ロイター日本語ニュース 吉池 威記者)
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