効果見えない各国中銀の信用収縮緩和策、新たな対策を探る動きも

2008年 03月 24日 16:39 JST
 
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 [ロンドン 23日 ロイター] 世界の金融危機に終息の兆しが見えてこない中、主要国・地域の中央銀行はどうすればクレジット市場の信頼感を回復するできるか頭を悩ませている。

 世界の政策当局は2007年8月以降、何千億ドルにも上る資金供給、総額1500億ドルに達する景気対策をはじめとする数多くの対策を打ち出したが、いずれも市場の信頼感を回復することはできず、米国、英国、ドイツの金融機関による巨額損失の計上が相次いだ。

 米国の不動産価格下落を食い止めるための抜本的な対策がまだ取られていないため、銀行は依然としてインターバンク市場への資金放出を渋っている。

 グローバル・リサーチ・パートナーズのポール・マルコウスキー社長は「米国のモーゲージ問題は1990年代の政策ミスが生んだもので、その是正措置が取られるだろう」と述べ、何らかの形でのモーゲージ救済策がその中心にならざるを得ない、との見方を示した。

 これまでのところ、中央銀行はモーゲージ担保証券を担保に資金を貸し出す意向を示しているだけで、それを買い入れるところまでは踏み込んでいない。

 英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は22日、米国、英国、ユーロ圏の当局者がクレジット危機の解決策として、公的資金を用いてモーゲージ担保証券を買い入れる可能性について協議していると伝えたが、米連邦準備理事会(FRB)とイングランド銀行はそれを否定。欧州中央銀行(ECB)はコメントを拒否した。

 <途方もなく大きな問題>

 世界の金融機関は昨年11月以降だけで総額1250億ドルに上る資産の評価損を計上。今週予定されている金融機関の四半期決算でも、多額の評価損計上が発表されると見られている。

 格付け機関のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は今月、米国のサブプライム関連損失は総額2850億ドルに達する可能性があるとの試算を明らかにした。

 米国の不動産価格は下げが加速しており、S&P/ケースシラーの住宅価格指数は07年第4・四半期に前年比8.9%下落。指数算出開始以来最大の落ち込み幅を記録したほか、下落ペースは1990―91年の住宅不況当時と比べても3倍となった。特にマイアミでは下落幅が年間17.5%に達した。

 不動産価格が間違いなく底を打ったことが確認できるまで、投資家は数兆ドルに上るクレジットデリバティブ商品の価格が正確に算出されているとの確信を持つことはできない。世界の銀行がインターバンク市場に資金を出すようになるには、その確信が得られる必要がある。

 JPモルガン(JPM.N: 株価, 企業情報, レポート)がベアー・スターンズBSC.Nを1株当たり2ドルで買収すると発表したほか、FRBによる証券会社への直接的な資金供給策の導入や75ベーシスポイントの追加利下げを受け、先週は米国の株式市場が戻り歩調をたどった。だが、イングランド銀行は潜在的な問題をめぐって銀行と協議しているとの観測を否定し、英金融サービス機構は一部銀行の不自然な株価の動きについて調査に乗り出した。

 米下院のバーニー・フランク金融委員長はホワイトハウスに対し、住宅を失うリスクに直面している住宅保有者のローン借り換えを促すため、最大3000億ドルの支援策を講じるよう求めている。

 それに対し、米政府は民間による危機解決策を求めているほか、イングランド銀行も22日、銀行が取ったリスクを解決するために税金を使うべきではないとの考えを示した。

 ただ、イングランド銀行スポークスマンは「当行を含めた中央銀行は、市場の緊張を緩和する対策を検討している」と述べ、初期段階ではあるが、市場の混乱を解決するためさまざまな選択肢を検討していることを明らかにした。

 (ロイター日本語ニュース 原文執筆:Sumeet Desai、翻訳:長谷部 正敬)

 
 
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