現在は不確実性高い、予断持たず機動的に政策対応=日銀総裁代行

2008年 03月 25日 18:03 JST
 
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 [東京 25日 ロイター] 日銀総裁代行を務める白川方明副総裁は25日、衆院財務金融委員会で、経済が見通し通りであれば、これまでの金融政策の基本的な考え方は維持するとの見解を示した。ただ、現在は不確実性が高いので、予断を持つことなく機動的に政策対応していくと柔軟な姿勢も見せた。

 <世界経済は下振れリスク高まる>

 白川副総裁は、米国経済について「このところ減速傾向が一段と強まっている」と指摘。先行きについても「住宅市場の調整やサブプライムローン問題に端を発した金融市場の動揺が、収まる兆しがまだ見られていない。銀行の貸出態度が一層タイト化するリスクもあるので、米経済には不確実性が大きい」と警戒感を示した。

 こうした状況を背景に「世界経済全体としては、エマージング諸国の高成長に引っ張られる形で、減速しながらも拡大を続ける可能性が高いと考えているが、米経済の減速傾向が一段と強まり国際金融市場の動揺も落ち着いていない中で、下振れリスクが高まっている」との見方を示した。

 <金融政策は予断もたず機動的に> 

 日銀の金融政策運営をめぐっては、シナリオを維持するのか、見直すのか正念場を迎えているとの指摘がある。白川副総裁は、日本経済について「国際金融市場の動揺や世界経済の減速、エネルギー・原材料高による中小企業の収益環境の悪化や生活関連物資の値上がりなど、内外ともに多くのリスク要因を抱えている」と指摘。その上で当面の金融政策運営について「金融政策の効果・波及のタイムラグが長いこと、金融と実体経済の間には複雑な相互依存関係があることから、足もとの動向だけでなく、中長期的なリスクについても十分な目配りをする必要がある」と繰り返した。

 具体的な方針に関しては「日本経済が物価安定の下で、息の長い成長を続けていくという見通しであれば──これは4月の決定会合、特に4月末は経済・物価情勢の展望(展望リポート)で入念に点検を行うが──そうした見通しであれば、これまでの金融政策の基本的な考え方を維持することが適当」との見解を示したが、一方で「経済の先行きは常に不確実性があるし、特に現在は不確実性が高い」とも指摘し、「予断を持たずに見通しのがい然性やリスクを点検し、その上で、それに基づいて機動的に政策対応をしていく」と柔軟な姿勢をみせた。

 政策協調の考え方については「一国の中央銀行が責任を持って対処すべきは、国内の物価安定の下での持続的な経済成長だ」と原則論を述べた上で「例えば、ある為替レートを固定的に維持していくだとか、あるいは経常収支の黒字額を減らしていくだとか、そういう風に物価安定のもとでの成長以外の目的を外から入れ込むと長い目で見て必ず経済が不安定になっていく」と説明した。

 <ドル基軸変わるとは見ていない>

 為替市場は、振れの大きな展開が続いている。白川副総裁は「こうした動きは、基本的にはさまざまな金融資産のリスク再評価の過程であり、ある程度時間のかかるプロセスだと思う。その間は、金融市場の調整が経済の調整と併せて秩序だって進むことが大変大事だ」と指摘。一部に基軸通貨としてのドルの信認が揺らいでいるとの見方があることに関しては「当面は(ドル基軸通貨をめぐる)基礎的な条件は大きく変わるとは見ていない」としながらも、「中長期的な側面を含めて、今後の国際通貨情勢、為替相場の動向については注意深く見ていく必要がある」と語った。

 <長国買入は同じ金額・頻度を維持>

 長期国債の買い入れについては「あくまでも円滑な資金供給という金融市場調節上の必要に基づいて実行している。決して、財政の支援や国債発行の円滑化、長期金利に影響を与えることを目的として実行しているものではない」と強調。「当面は、すでに日銀が公表している通り、先行きの日銀の資産・負債などを踏まえつつ、これまでと同じ金額・頻度を維持していく」との方針を示した。

 (ロイター日本語ニュース 志田 義寧)

 
 
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