金融不安一服でエマージング通貨が下げ止まり、米経済に焦点移る

2008年 03月 26日 19:09 JST
 
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吉池 威記者

 [東京 26日 ロイター] 今月に入り対ドルで売られていたエマージング通貨がここにきて下げ止まりの兆しを見せている。金融市場の混乱によるエマージング通貨売り/ドル買いのポジション調整が一服、市場参加者の目線がサブプライムローン(信用度低い借り手向け住宅融資)関連の信用不安から米経済のファンダメンタルズに移ってきた。

 商品価格も再び堅調な値動きになるとの観測もあり、ドルは再び主要通貨だけでなくエマージング通貨に対しても弱含む可能性がある。

 ブラジル・レアルは3月6日に1ドル=1.6590レアル付近に上昇していが、その後信用不安から下落基調となり、前週は一時1.75レアル付近まで下落した。足元は1.73レアル付近で下げ渋っている。ある商社の外為担当者はレアルに関して「ポジション調整で軟調だったが、商品相場の反発も予想されるため、トレンドとして強含みとの見方を変えていない」との見方を示す。三菱東京UFJ銀行上席調査役の加藤昭氏も「レアルはもっと強くなってもおかしくない」との見方を示している。

 高金利通貨で知られるアイスランド・クローナは前週、1ドル=70クローナ付近から80クローナ前半の水準に急落していた。対ユーロでは年初から30%も下落、今週に入ってから一時1ユーロ=124.06クローナの最安値を付けた。アイスランド・クローナの弱含みは「金融市場の混乱が背景だった」(外銀)と見られている。アイスランド中央銀行は25日、予想外の利上げに踏み切った。同中銀は「クローナ安は企業や家計のバランシスシートを傷つけ、将来の金融の安定を損なう。そのため、できる限り早急にクローナ安を反転させることが重要だ」との見解を表明した。1ドル=79クローナ付近から、介入実施後は75クローナ前半に戻している。

 当局が上昇ペースを抑える動きに乗り出すほど地合いが反転しているのは韓国ウォンだ。韓国企画財政省の崔重卿(チェ・ジュンギョン)第1次官は26日朝、ウォンの急激な上昇は急落よりも望ましくないとしたうえで、ウォン相場が急な動きをすれば為替市場で措置をとる考えを強調した。4月9日投開票の総選挙を前に、韓国当局がウォン押し下げを目的とするドル買い介入を実施したもよう。一時1ドル=1030ウォン付近に下落していたウォンは970ウォン付近まで急反発したが、その後一段のウォン高は抑えられている。

 一方、下げ止まったとはいえ依然として軟調気味なのが南ア・ランド。日本の個人投資家に選好されてきたランドは、昨年11月の6ランド前半からじり安となり、今月には、2003年ごろの水準である1ドル=8.2ランド付近に下落していた。三菱東京UFJの加藤氏は「マーケットのセンチメントがやや改善し、足もとで安心感が出てきた」としながらも「経常赤字国でもあり売られやすい状況には変わりない」と指摘する。

 市場では「エマージング通貨のなかにもセンチメントが改善しているものとそうでないものがあり、まちまちだ」(邦銀)という。三菱東京の加藤氏は「前週強まっていた信用不安はやや緩和したと言える」としたうえで、今後の焦点はサブプライム関連の信用リスクよりも米景気のファンダメンタルズに移りそうだとの見方を示している。

 米著名投資家のT・ブーン・ピケンズ氏は25日、米CNBCテレビとのインタビューで原油相場について、今年いっぱいバレル当たり100ドル付近もしくは100ドルを上回る水準を維持するとの見通しを示した。他の商品価格も高値圏で推移するなど、ドル売り材料は尽きない。

 (ロイター日本語ニュース 吉池 威記者 編集 橋本浩)

 
 
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