トヨタが東電を上回る配当利回り、大きな歪みが示す割安感
伊賀 大記記者
[東京 3日 ロイター] 配当利回りから日本株の価格形成をみると、大きなゆがみが生じている。成長性が高く、本来なら配当利回りが低いはずのトヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)が、成熟企業の典型とみられている東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)の利回りを上回るなど通常では考えにくい現象が発生しているためだ。
サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題に端を発した米欧市場での信用収縮の広がりにより、ヘッジファンドなどが換金目的の保有株売却を大規模に進めたことが影響しているとの見方が広がっている。需給が正常化する過程で「過剰な割安感」はいずれ修正される可能性が大きい。
<トヨタと東電、期待成長率と異なる配当利回り>
3日前場終値をベースにしたトヨタの2008年3月期予想ベースの配当利回りは2.54%、東電は2.31%とトヨタの方が高くなっている。トヨタが年初来高値を付けた2月20日時点では、トヨタが2.03%、東電が2.38%と東電が上回っていた。
配当利回りは、配当を株価で割った利率。投資資金で年間何パーセントの配当がもらえるかを示す。通常、成長期待の高い企業は、将来の配当が増えるとの期待が働くため分母の株価が高くなり、配当利回りは低くなる。約1カ月半で両社の期待成長率に変化が生じたのか──。
現時点でアナリストからは、トヨタの期待成長率が東電を下回ったとの声は出ていない。先進国の自動車産業は成熟したが「発展途上国など世界の隅々まで自動車を製造・販売する余地は、まだまだ残っている」(外資系証券の自動車アナリスト)という。
一方、電力事業は成熟産業であり、東京電力の成長期待は決して大きいとは言えないというのが、市場の共通認識だ。実際、東電自身も収益のベースとなる販売電力量について、2006年度から2017年度まで年平均1%の伸びと見込んでいる。 続く...



