経産省が05年基準の鉱工業生産暫定値公表、景気認識ほぼ変化なしへ
[東京 10日 ロイター] 経済産業省は10日、2005年基準の鉱工業生産の暫定値(2003年1月─08年1月)を公表した。今回の改訂は、生産指数の基準年を2000年から2005年に変更するなど、5年に1度の大幅な内容。
2000年基準の1月の生産指数は109.5だったが、05年基準では108.5となった。2000年基準で昨年10月だった生産の直近のピークは、05年基準でも10月となり、変化はなかった。
新基準では、光ディスク、ファインセラミックス、液化天然ガスなどが新たに採用された一方、使用頻度の減少したビデオテープレコーダー、35ミリカメラ、ファクシミリ、石綿スレート、味噌・醤油・食パンなどの一部食料品、田植機などが除外された。
また、各項目のウエートも変更された。特に注目されるのは、これまで景気・生産のかく乱要因になってきた電子部品・デバイス。ウエートがこれまでの1140/10000から799/10000に引き下げられた。一方、鉄鋼、輸送機械、精密機械などのウエートは引き上げられた。
今回の改定について、民間エコノミストからは「5年前の変更と比較して、意外に修正は小さかった」(ニッセイ基礎研究所・シニアエコノミストの斎藤太郎氏)との声が多かった。
生産の山谷は、景気の山谷と合致することが多いが、1995年から2000年へと基準年が変更された5年前の改定では、直近の生産のピークは02年8月から03年1月に後ずれした。これにより景気は02年の夏がピークとの見方が大幅に後退したという経緯がある。
今回は、生産の直近のピークは昨年10月で変わらなかった。斎藤氏は「昨年10月以後、景気が後退局面入りしたとの見方を変える必要はない」と述べている。
ただ、後退局面入りシナリオを取っているエコノミストの多くは、1─3月期生産が大きく低下するとの前提に立っていた。だが、今回の基準改訂を受け、この低下幅が小幅になる可能性があり、後退シナリオにとって、この点が不確定要因になりそうだという。2000年基準では1月生産は前月比マイナス2.2%の大幅低下だったが、05年基準ではマイナス0.5%と小幅低下にとどまった。
三井住友アセットマネジメントのチーフエコノミスト、宅森昭吉氏は「景気は昨年秋がピークになりそう」との見方に変化はないものの、後退局面入りしたと「断定できない」とした。生産指数が5月まで低下基調を続ければ、景気が後退局面入りする確率が一段と高まるが、1月の低下幅が小さくなったことなどもあり「もう少し様子をみたい」という。
経済産業省は来週17日に、新基準での2月生産指数、3月と4月の生産見通しを発表するとみられている。
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