同友会、「悪質な買収」抑制で会社法・金融商品取引法改正を提言
[東京 14日 ロイター] 経済同友会は14日、「健全なM&Aを促す法改正を」と題する提言まとめた。買収防衛策の導入手順や発動要件などに関する具体的な規定を盛り込んだ会社法改正と、悪質な買収を抑制するためにTOB(株式公開買い付け)ルールを定めた金融商品取引法の改正を求めている。
同友会の岩沙弘道・副代表幹事(三井不動産(8801.T: 株価, ニュース, レポート)社長)は会見で、「買収防衛策に関しては同友会内部でも意見の相違がある」と説明。岩沙氏は、「買収防衛策の整備の提唱は閉鎖的で内向き」、「TOBルールの改正による入り口規制の強化は、外部からの投資拡大の流れに逆行する」といった異論が同友会内部であったことを紹介しながら、「買収防衛策の法整備は、防衛側だけでなく買収側からみても法的リスクの予見可能性を高めるため、健全なM&Aを促すことにつながると考える」と、今回取りまとめた提言の意義を語った。提言では「健全なM&A」を「現経営陣に対し敵対的であるかどうかを問わず、真に企業のミッション(使命)の実現と企業価値の持続的向上に貢献しうるM&A」と定義した。
提言では、現行の会社法には買収防衛策の導入・発動に関する諸手続きについて規定がない点を強調。法的安定性が高い定款変更による買収防衛策の導入は、株主総会での特別決議による承認が必要だが、要件が厳しいため導入企業は少数派で、多くの企業は普通決議で済む「勧告的決議」を通じて導入しているが、防衛策の発動を司法で容認された判例がなく、適法性が不透明な状態だとしている。企業が法的な不透明感の残る買収防衛策を導入したり、株主安定化のための旧来の株式持ち合いが復活していることは、企業価値向上に望ましいとは言えないため、法改正が必要だとしている。
ただ、会社法の改正には「相当な困難が伴うと思われる」(提言)ため、約4千社の上場企業に限定した新法制も一案としている。
同友会はまた、「悪質な買収」の抑制に向け、TOBルールの改正を求めている。悪質な買収を「いわゆるグリーンメーラー等の乱用的買収者による略奪的な経営支配」「短期的な運用利益の獲得を重視するあまり、中長期的な企業価値の向上、企業のミッション実現を疎かにしかねない経営支配」と定義。議決権比率3分の1以上の株式取得を行う場合は、「企業価値の持続的向上に資する経営改善策の提示を義務付ける」とのルール改正を提案している。「企業価値の向上を目指す買収者としての説明責任を果たすもので、過度の負担とはならない」との主張だ。
このほか、経営改善策の実行期間中は、買収者に株式保有を義務付けることや、買収資金にかかる資金源の開示の厳格化も提言で求めている。
(ロイター日本語ニュース、浜田 健太郎記者)
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