大証との統合、合意しやすい方向で動いている=ジャスダック社長

2008年 04月 23日 19:22 JST
 
記事を印刷する |

 [東京 23日 ロイター] ジャスダック証券取引所の筒井高志社長は23日、ロイターとのインタビューで、大阪証券取引所(8697.OJ: 株価, 企業情報, レポート)との統合について「証券界の総意で株主の意向。私は尊重する」として、統合に難色を示した取締役と個別に会って説得にあたっていることを明らかにした。さらに、各取締役については「合意しやすい方向で動いている」との認識を示した。

 大証とのシステム一本化の否決とともに再開することになった独自システムの開発では、時間の経過とともに追加費用の膨らむ懸念があった。しかし、筒井社長は6月末まで支払いの決定を延期することとして、時間をかけて取締役の理解を深めていく考えを示した。

 筒井社長は、システム一本化案に反対した各取締役への個別説明は「すでに2周した」という。筒井社長は「取締役の中にもいろいろな意見はあるが、しっかりまとめていきたい。議論をすることで私と取締役の理解は深まっている」との認識を示した。日本証券業協会が4月8日の理事会で大証へのジャスダック株の過半数譲渡を正式に決定したことで「(売却が決まっていなかった1カ月前よりも)合意しやすい事態に進展している」との見方を示した。

 ジャスダックは3月24日の取締役会では、筒井社長が提出した大証とのシステム一本化案が反対多数で否決され、中断していた独自システムの開発再開が決まった。大証と統合すれば不要になるジャスダック独自のシステムへの追加費用が、これによって7億円弱発生した。大証との統合が決まれば特別損失になる投資にほかならないが、大証とのシステム一本化の決定が遅れれば遅れるほど開発は継続され、さらに追加損失が膨らむ懸念もある。

 しかし、筒井社長は、これ以上の追加支出を食い止めるため、支払い先となる日立の古川一夫社長と25日に会談し、6月末まで支払い決定を延期することで正式合意することを明らかにした。そのうえで「これで取締役の方々の理解を得られるだけの時間が確保される」と強調した。

 今後、大証とのシステム一本化の修正案は、大証と基本合意をした上で、取締役会にふたたび諮って決議する。ただ、4月28日に予定されている次回の定時取締役会の決議には間に合わない見通し。システム一本化が正式に決議される時期について筒井社長は「これから各取締役に丁寧に説明していくのが大事」として明確にはしなかった。しかし「ゆっくりと進めるわけではない。これ以上の現実的な追加投資が発生する状況は経営として避けなければならない」として、追加支出の停止期限となる6月末を意識する考えも示した。

 <新興市場の活性化、ジャスダックが中核的役割を>

 大証との統合にあたり、ジャスダックは財務アドバイザー(FA)に大和証券SMBCを採用した。FAの役割について筒井社長は「株の売却は日証協と大証の交渉でジャスダックは受身になるが、TOB(株式公開買い付け)をする際の意見表明でアドバイスをもらいたい」と語った。また、大証がTOBをする前に必要となるジャスダックの資産査定については「秘密保持契約が必要だ」と強調。さらに、ジャスダック内部の資料の提供については「公表した情報を超える資料の提供については出せるものと出せないものを整理している。個人情報や上場企業の個別情報などは難しくなるのではないか」との考えを示した。

 日証協は、大証によるジャスダック株のTOBが完了すれば、国内の新興市場全体の将来像について議論する「新興市場のあり方委員会」を立ち上げる予定。筒井社長は「この議論がもっとも大事だ。日証協の合意を得て立ち上がる。委員会での議論は、大証との統合のあり方で大きな役割を果たすだろう」と語った。

 また、筒井社長は、日本の新興市場の活性化に向けては「ジャスダックの部隊が中核的な役割を果たしたい」と述べた。また、大証との統合効果について、ジャスダックの収益基盤が安定することで「選択肢が増えていく」と述べて、新興市場での機関投資家の比率向上や先物・オプションとのシナジー(相乗効果)に期待を寄せた。さらに「大証の枠組みの中で企業価値を上げられるように話し合いをしていくことになると思うが、ヘラクレスも入れていい将来像が描けるだろう」との見方を示した。

 (ロイター日本語ニュース 村井 令二)

 
 

編集長のおすすめ

  • ニュース
  • 写真
  • ビデオ

ロイターオンライン調査

Photo
麻生太郎自民党幹事長
小沢一郎民主党代表
小泉純一郎元首相
岡田克也元民主党代表
小池百合子元環境相
その他・該当者なし