インタビュー:08年度の債券運用、国債残高横ばい=農林中金
[東京 24日 ロイター] 農林中央金庫は2008年度の債券運用で、今後3─6カ月間は世界の金融経済情勢の見極めが必要と判断、国債投資については現在の保有残高を維持して抑制的な投資スタンスで臨む方針。
3月の相場急落局面で購入した物価連動国債と変動利付国債は、具体的なアロケーションを決めていないが、割安なものについては、市場動向をみながら購入する機会を探っていく考えだ。
農林中央金庫の債券投資部副部長、新分敬人氏がロイターとのインタビューで語った。
──米経済の先行きをどのようにみているか。
「08年度の債券運用では1)金融不安の落ち着き度合い、2)米実体経済の動き──の2点をしっかりと点検していく必要がある。米金融機関の決算やクレジットスプレッドをみる限り、クレジット問題は底打ちしたのではないか。株式市場は底割れしない安心感が出てきた。しかし、金融機関が資本増強をしたとはいえ、バランスシート調整はこれからが本番。住宅価格の下落が続いており、V字型というよりも、下げ止まりから少しずつ上向くイメージだ。米実体経済については利下げ効果や減税効果で、3─6カ月が過ぎれば先が見えてくるのではないか」
「米経済は大幅に悪化しないという見方をしている。米経済がリセッションにならなければ、日本の経済は最悪の状況にならないとみているが、米国中心に落ちている外需や盛り上がらない個人消費を踏まえると、低成長が続く可能性が大きい」
──金融政策と金利見通しについて。
「米国は次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げ後に様子見に入るのではないか。欧州は経済が減速傾向にあるが、インフレ懸念への対処から政策金利を据え置くだろう。日米欧の金融政策は、グローバル的に半年から1年弱は横ばいで推移するのではないか」
「08年度の10年債利回りは、米国が3.5─4%、日本が1.3─1.7%のレンジで推移するとみている。米経済に明るさが見えてくれば、長期金利が上昇してイールドカーブにスティープニング圧力がかかりやすい。しかし、経済悪化観測が強まれば、再利下げの議論が出かねない」
──債券運用の方針は。
「国債保有残高は08年3月末現在で10兆円程度と07年9月末(11兆円程度)に比べて減少した。固定債を減らしたため、全体の変動債の割合は高まった。08年度は金利先行きが不透明なため、債券運用で決め打ちをしない。これまで金利上昇に備えたポートフォリオを構築してきたが、現行の金利水準を考えると、金利低下余地が限られるため、現在の投資スタンスを変えるつもりはない。今後3カ月─6カ月程度は、金融経済情勢を見極める期間と位置づけている。ビューが明確になってくれば、ポートフォリオを見直すかもしれないが、現段階で国債保有残高は基本的に横ばいを維持する方針」
「物価連動国債と変動利付国債は3月に相場が崩れて、かなり割安となった局面で購入した。今年はアロケーションを決めていないが、割安なものについては、引き続き市場動向をみながら、購入する機会を探っていくつもりだ」
「07年度のクレジット投資は、クレジットスプレッドがワイドニングする中で、クレジットカードやオートローンの資産担保証券(ABS)を中心に良質で割安なものにゆっくりと投資をしてきた。今年も同じスタンスを踏襲していきたい」
(ロイター日本語ニュース 星 裕康、茂木 千香子)
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