勢い止まらない原油高、石油株物色は割安修正の動き

2008年 05月 7日 17:10 JST
 
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 [東京 7日 ロイター] 原油価格の勢いが止まらない。原油先物は1バレル=120ドルを突破し、それを受けて石油株が幅広く買われている。ただ、原油高は必ずしも元売各社のガソリンなどのマージン改善に繋がるわけではなく、ここでの上昇は割安に放置されていた修正の動きとの見方が出ていた。

 6日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物相場は、3営業日続伸、米国産標準油種WTIの中心限月6月物が一時1バレル=122.73ドルまで上昇、取引時間中の史上最高値を連日更新した。

 アフリカ最大の産油国ナイジェリアでの油井爆破をきっかけとした供給懸念の高まりが上昇の理由となったが、米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が6日発表した月例予測で、ガソリン価格の上昇と景気減速を背景に今夏のドライブシーズンは米原油需要がこれまでの予想以上に落ち込むとの見通しを明らかにするなど強気の材料ばかりではない。

 市場では「これまでドルヘッジの意味合いで原油が買われた側面もあったが、直近の相場ではこのロジックが崩れている」(大手商社関係者)との声も出ており「安くなったところには買いが入る。ドルヘッジに関係なく、強いトレンドから原油にマネーが流れる構図に変化はみられず、依然として市場では先高期待が大きい」(SBIフューチャーズ・法人営業課の鈴木孝二氏)という。

 こうした中でマーケット参加者の注目を集めたのが、原油価格は向こう2年間で1バレル=200ドルまで上昇する可能性があるとの見方を示したゴールドマン・サックス(GS.N: 株価, 企業情報, レポート)のリサーチノートだ。

 ゴールドマンでは「向こう6─24カ月で1バレル=150─200ドルに上昇する可能性が、ますます高まっている。ただ、原油価格のピークや、原油高が続く期間については不透明だ」との認識を示し、買いを誘う材料になったとの指摘もある。

 これを受けた株式市場では原油の先高感から収益向上期待が膨らんだほか、2日に発表した2009年3月期の連結営業利益見通しが390億円(前期実績は20億0400万円)と鋭角的な回復見込みとなった出光興産(5019.T: 株価, ニュース, レポート)の好決算が刺激を与え、石油株が一斉に買われた。

 7日の株式市場では、出光興産(5019.T: 株価, ニュース, レポート)がストップ高に買われたほか、国際石油開発帝石ホールディングス(1605.T: 株価, ニュース, レポート)、新日本石油(5001.T: 株価, ニュース, レポート)、新日鉱ホールディングス(5016.T: 株価, ニュース, レポート)などが大幅高となっている。

 石油株は、PER10倍を割り込む銘柄が多いなど、年初から割安に放置されていた銘柄が多く「いつ割安修正の動きが出ても不思議ではないなかで、止まらない原油高と出光興産の業績急回復見通しが上昇のきっかけになった」(準大手証券情報担当者)という。

 SMBCフレンド証券・投資調査室次長の松野利彦氏は「ゴールドマンのリサーチノートで、株式市場の関係者も原油価格の先行きに強気に傾斜したのではないか。ゴールドマンは早い段階に原油価格が100ドル乗せると指摘した経緯があるだけに、材料として注目された」と指摘する。

 もっとも、こうした石油株の動きについて慎重な見方も少なくない。原油高は「国際帝石など開発専業会社や、元売でも開発事業に限ってはストレートにメリットとなるが、石油化学製品のマージン悪化懸念などリスク要因にもある。ガソリン税問題のモヤモヤが晴れたタイミングで動いた格好だ」(国内系証券アナリスト)といった見方もある。

 三菱UFJ証券・アナリストの荻野零児氏は、一連の石油株の動きについて「出光興産は決算にポジティブサプライズ感があるので買われて不思議ではない。国際帝石も原油高は疑いの無いプラス材料のため、その点が評価された」とする一方で「原油高は元売各社のマージを必ずしも改善させる要因ではないので、決算予想がさえなかった新日本石油と新日鉱あたりが買われたのは、間違った連想が働いたイメージがある。前向きな評価というより割安の修正とみた方が良さそうだ」とコメントしていた。

 (ロイター日本語ニュース  水野 文也)

 
 

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