日本株は長期上昇局面、年内上げ幅は1割程度か=DIAMアセット・坪田氏

2008年 05月 8日 18:45 JST
 
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 [東京 8日 ロイター] DIAMアセットマネジメントのエグゼクティブファンドマネジャー、坪田好人氏は、日本株について「2003年が1番底、今年3月が2番底で、長期的な上昇局面に入って行く」とみているが、米景気の先行き不透明感や国内政治の停滞などで、年内の上げ幅は現行水準から1割程度にとどまると予想している。8日に行ったロイターとのインタビューで語った。

 日経平均株価は1─3月期に約18%下落したが、4月以降に約11%回復している。足元の反発について坪田氏は、米株式相場や為替動向に連動したもので「今後3カ月はこれまで同様に自律性のないマーケットが続く」とみる。ただ、年央以降は四半期決算などを通じて企業業績が期初予想ほど悪化しないとの見方が広がり「海外と別の動きをする」見通しで、日経平均は「今の1万4000─1万5000円から1割くらいは(年内に)上昇するのではないか」という。

 日本株を巡っては、ファンドマネージャーやストラテジストの間で強気と弱気の見方が対立しているが、坪田氏は強気派。日本企業の製品やサービスは国際的にみても内容や質が高く「非製造分野が生産性を上げることで日本全体の生産性が向上する余地が残されている」とみるため。

 ただ、米国経済の先行きに確信を持てない状況下では「相場環境に大きな1つのトレンドが出にくいため、運用の立場としては今年は『凌ぐ年』になる」という。 

 <グロース株を引き上げ>

 坪田氏は、運用助言を含め1000億円超の資産を日本株で運用している。運用している公募投信には、3月にリッパー・ファンド・アワード最優秀ファンド賞(日本株・評価期間5年)を受賞した「ハイブリッド・セレクション62002848JP」や「IBJ ITM ジャパン・セレクション62002852JP」などが含まれる。

 1998年設定のハイブリッド・セレクションはグロース株とバリュー株に投資し、相場環境により組入配分を変えて収益の獲得を目指すもの。ファンド情報サービス会社のリッパーによると、4月末までの5年間の騰落率はプラス179%で、日本株分類ファンド378本中5位の運用成績で、10年間ではプラス285%で同83本中トップとなっている。

 3月末の組入配分はグロース系が63%、バリュー系が37%。坪田氏によると04年10月頃はバリュー7割、グロース3割だったが「03─05年のバリュー相場が終わったとの見方から06年前後からグロースを増やしてきた」。今後も「方向性としてはグロースを引き上げる方針で、相場環境を見ながら7割まで増やす」という。  

 <年央に戦略の見極めが必要>

 ハイブリッド・セレクションの3月末のポートフォリオは、業種別では電気機器や小売業が東証株価指数対比でオーバーウエート、銀行や輸送用機器がアンダーウエートとなっている。組入銘柄上位にはシャープ(6753.T: 株価, ニュース, レポート)、ヤフー(4689.T: 株価, ニュース, レポート)、東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306.T: 株価, ニュース, レポート)、トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)が並ぶ。

 坪田氏によると、昨年夏に、新興国や世界の経済成長の恩恵を受ける商社、機械、鉄鋼、海運などの「世界景気敏感株」を落とし、為替や世界経済の影響を受けにくい内需系のサービス、情報通信銘柄を増やす戦略に転換した。今のところ戦略は変えていないが「年央には、そのままで行くか、世界経済の回復を見込んで世界景気敏感株を増やすかを見極めなくてはいけない」という。

 また、足元では国内の金融、不動産セクターの上げが目立つが、坪田氏は「リバウンドなのか大きな上昇トレンドになるのかはっきりしない」と指摘。銀行についてはアンダーウエートの幅を縮めてきており、メガバンクに関しては中立に戻してリバウンドに備えてはいるものの、米景気の減速度合いなどが不明瞭ななかでオーバーウエートにするには決め手に欠ける状況という。

 自動車をアンダーウエートにしている理由は、稼ぎ頭の米国で個人消費が調整局面に入っていることと円高による業績への影響が大きいため。一般的には電気機器も輸出関連で円高による打撃が大きいとされるが、「電気機器で組み入れているのは為替感応度が低い銘柄が中心」という。

 また、長期の投資戦略を考えるうえで、デジタル家電関連、新興国のインフラ需要関連、環境関連という3つのテーマを重視しており、シャープや東芝などはデジタル家電と環境という2つの側面から投資対象になっていると指摘した。坪田氏は「日本の成長という観点からもハイテク分野は依然として重要な投資対象」とみている。

 (ロイター日本語ニュース  大林 優香)

 
 

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