焦点:米証券化バブル崩壊で行き詰まる投資銀行
[東京 14日 ロイター] 米証券化バブル崩壊後の信用収縮は最悪期を脱したとの見方が広がる一方で、米住宅価格の下落は止まらず、米不動産・商用ローンの証券化市場では価格形成もままならない。信用バブルの崩壊で、ビジネス縮小を迫られる米金融・証券界の先行きには引き続き暗雲が立ちこめている。
バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は13日「流動性供給対策により金融市場は幾分回復してきた」としたものの、「多くの証券化市場は依然として瀕死状態のままだ」と述べ「究極的には、市場参加者自らがレバレッジを外し、資本を増強し、リスク管理を徹底して、金融市場の緊張の源泉を根本的に解決するべきだが、これには時間がかかるだろう」 との見解を明らかにした。
だが、証券化市場を介して無限大とも言われる信用バブルを造った欧米証券会社のレバレッジ外しは、一朝一夕にはいかないだろう。
<道を踏み外した投資銀行>
「米住宅ローン証券化をめぐる一連の問題の本質は、米証券会社(投資銀行)が絡んだ証券化商品という名の一種の不正融資。その商品化手法が時間を経るに従って、極端に悪質になっていったことが表面化したわけで、最悪期云々(うんぬん)という問題ではない」とファースト・インターステート・リミテッド香港社長の中山茂氏は語り、証券化ビジネスを含む欧米投資銀行のビジネス・モデルの行き詰まりを指摘する。
証券化ビジネスは、間接金融から直接金融への変遷、つまりBuy and Hold からOrigination and Distribution モデルへの転換のなかで拡大した。
企業は資金調達の際に、伝統的には銀行借入に依存してきたが、証券会社(投資銀行)は、企業が債券発行によって投資家から資金を集める直接金融の世界に企業を引き込んだ。投資銀行は債券の引受・募集・販売で手数料収入を得るフィー・ビジネスに収益の軸足を移した。
証券化は銀行借入では審査で融資対象外となるような信用力が低い企業にも資金調達の道を開いた。80年代後半からは、信用力の低い個人にまで資金調達の道を開いたことが、今回のサブプライム問題の始まりだ。 続く...



