特定株に短期的人気、翌日無風に戻る背景に景気への不安

2008年 05月 16日 13:55 JST
 

 [東京 16日 ロイター] 東京株式市場では、ひとつの大型株に人気が集中しストップ高まで押し上げた翌日には「なぎ」状態に戻るという離合集散の激しい傾向がみられている。15日の場中にストップ高したソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)も16日前場は70円安とさえない。

 NTT(9432.T: 株価, ニュース, レポート)は比較的堅調な業績や株主還元方針が好感され、決算発表翌日の14日に2003年11月12日以来となるストップ高まで上昇。だが翌15日は6000円安、16日前場は3000円高と小康状態に戻っている。

 一極集中傾向が強くなっている背景には、景気や上昇相場に対する消えない不安があるという。「にぎわっている銘柄に乗ればもうかる相場が続いているため、投資家がこぞってひとつの銘柄に集中する。その割に相場全体のボリュームは膨らまないのはサブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン)問題や景気に対する根強い不安があるためだ」(欧州系証券株式担当者)。

 日経平均は前日までの4営業日で約600円上昇したが、その間、東証1部売買代金は活況といわれる3兆円を一度も上回ることはなかった。

 次々と発表される企業の2009年3月期業績見通しがさえないなかでの株価上昇に違和感を感じる市場関係者も多い。「どこかではしごを外されるのではないかという不安感がある。日々の上昇幅が限定的なのは、こうした不安の裏返しではないか」(ファンドクリエーション投信投資顧問シニアファンドマネージャーの山田拓也氏)。前日までの4日間で日経平均株価の上げ幅が300円を超える日はなかった。

 とはいえNTT、ソニーともストップ高の翌日の株価はさえなかったが下げ幅は限定的。売りが反動で膨れ上がるということもなく「無風状態」に戻る展開となっている。

 こうした傾向について、ある外資系投信のファンドマネージャーは「機関投資家にとって一部の大型株は時価総額規模からみて保有比率が依然低く、売りたくても売れない。また絶対的な水準から見て割安感が強い銘柄も多い」と指摘する。

 こうした「持たざるリスク」が株価の上昇とともに強まり需給面からの買いは継続しているが、ファンダメンタルズが明確に好転した兆しはなく、市場からは相場転換を予想する声も出ている。  続く...

 
 
 
 
 
Photo
 

ロイターオンライン調査

写真

メセナ活動は利潤を追求することのみを念頭に置けば「無駄」とみることもできる。しかし、「無駄」が世の中を豊かにする例もないとは言えない。  ブログ