債務残高に着目した財政運営が不可欠、6月3日に建議提出=西室財政審会長

2008年 05月 20日 06:10 JST
 

 [東京 19日 ロイター] 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が6月にとりまとめる建議では、公的債務残高が増加の一途をたどり、金利上昇に対する日本経済のぜい弱性が高まっている一方で、歳出圧力が増大している現状を踏まえ、「債務残高に着目した財政運営が不可欠であり、債務残高を経済の身の丈にあった範囲に抑制・管理することが必要」との認識を示す見通しだ。

 建議は6月3日に額賀福志郎財務相に提出する予定。19日の財政審終了後に会見した西室泰三会長が明らかにした。

 19日の財政審では、富田俊基委員(中央大教授)が「わが国財政の現状と課題」と題したペーパーを提出した。

 富田委員は、歳出圧力が増大している下で「財政規律に緩みが生じかねず、市場の信認を損ないかねない状況となっているのではないか」と懸念を表明。

 さらに、経済協力開発機構(OECD)が対日経済審査報告で指摘しているように「公的債務残高が増加の一途をたどり、金利上昇に対する日本経済のぜい弱性が高まっている」ことや、米経済の減速や原油価格の高騰などによる日本景気の下振れリスクの高まりなどを指摘し、「債務残高に着目した財政運営が不可欠であり、債務残高を経済の身の丈にあった範囲に抑制・管理することが必要」と位置づけている。

 こうした認識を踏まえ、今後の財政運営について、2010年代半ばに向けて債務残高対GDP比を安定的に引き下げることをめざすことが必要と指摘。その前段階である2011年度の基礎的財政収支(プライマリー・バランス)の黒字化目標を堅持し、「財政健全化に向けた取り組みを着実に進めていくことが必要」としている。

 これに対して西室会長は「基本的にわれわれの現状認識はこうであるといわざるを得ない。それが建議に反映されることになる」と明言。

 会合でも出席委員から「大きな公的債務残高があるにもかかわらず、長期金利が低いのは、政府が財政健全化にコミットする姿勢を崩していないと思われているため。コミットを今後も明確にアピールしないと長期金利は上昇する」などの意見が出された。

 
 
 
 
 
 

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