浮かび上がるドル安・原油高・株安の構図、ファンド勢の取引で思惑

2008年 07月 4日 19:21 JST
 

 [東京 4日 ロイター] 金融市場では、ヘッジファンドがドル安のヘッジとして原油高を利用しているとの思惑が出てきている。ドル安になるほど原油高が進行し、世界の株式市場を圧迫するとの構図ができつつあり、週明けのマーケットは原油価格への注目度を一段と上げそうだ。 

 市場が見守っていた3日の欧州中銀(ECB)理事会は0.25%の利上げを決めたが、トリシェ総裁が「先行きについてバイアスは持っていない」と発言し、3日のNY市場でユーロ/ドルが1.56ドル後半に下落。ドル指数は1%上昇した。

 ただ、市場では「欧米金利差があるのでドルの上値は追いづらい。前日のドル高/ユーロ安は、このところのユーロ高相場の修正局面とみることができる。現状では、ECBが利上げの矛(ほこ)を収めてくれたので、ドル安リスクがやや後退したという程度の話」(ドイツ証券・シニア為替ストラテジストの深谷幸司氏)との見方が広がっている。 

 <ヘッジファンド勢の一部がドル売り/原油買いのポジション構築>

  他方、3日の米原油先物は1バレル=145.29ドルと史上初めて終値で145ドル台となり、3日連続で最高値を更新した。市場では「ヘッジファンドの一部がこの先のドル下落を見込み、ドルショート/原油ロングのポジションをかなり積み上げており、短期的な上下はあるにしても、ドルが下がると原油が上がる構図ができつつある」(外資系証券)との声が出ている。 

 この原油高が株価の重しとして、東京市場でも強く意識され出した。4日の株式市場では「欧州系証券や商品投資顧問業者(CTA)が原油先物を買って株式先物を売る動きもある」(国内証券)との声が出ている。

 モルガンスタンレー証券・ストラテジストの神山直樹氏は「欧米市場がようやく今になって、原油など原材料高騰や需要の減速を企業業績予想に織り込みに行っていることが、現在の世界的な株価下落の背景だ」と指摘。その背景として「日本では5月発表の企業決算時点ですでに織り込んだが、欧米では比較的消費が堅調だったこともあり、アナリストが製造業の利益の予想成長率を高く置いていた。このため予想株価収益率(PER)が低くなり、年初の株価調整局面でも日本などと比べ欧米の株価は比較的堅調に推移したが、最近の急速な商品価格の上昇で企業の利益予想を修正をせざるを得なくなっている」とみている。その上で「自動車販売に象徴されるように消費もスローダウンしており、コストアップを価格に転嫁する力が落ちていることもマイナス要因だ。海外投資家が株式やクレジット市場などから資金を退避させる中で、日本株もつれ安する構図となっている」と述べている。 

 <ECBのスタンスで思惑交錯>   続く...

 
 
 
 
 
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