焦点:オークション・レート証券買い戻しで銀行の評価損がさらに拡大へ
[ニューヨーク 27日 ロイター] 個人投資家からのオークション・レート証券(ARS)買い戻しを余儀なくされたことにより、世界の大手銀行のARS関連評価損は最大100億ドルに達する可能性がある。
米監督当局は、銀行がARSのリスクを顧客に十分に説明しなかったと批判。これまでに大手8行が総額550億ドル以上のARSを額面価額で投資家から買い戻すことに合意している。
しかし中には額面1ドルにつき70─85セントの価値しかない証券もあり、既に多額の損失を計上し、さらなる計上には消極的な銀行に一段の損失が発生することを意味する。
グリーンウッド・キャピタルのポートフォリオマネジャー、ウォルター・トッド氏は「そうした多くの銀行のバランスシートを考えれば、タイミングが理想的とは言えない」と指摘した。
これまでのところ、米シティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)、米メリルリンチMER.N、スイスのUBS(UBSN.VX: 株価, 企業情報, レポート)、米ワコビアWB.Nが多額の買い戻しを行うことで当局と和解している。
1年余り前に保有する住宅ローンや証券化商品の価値が低下し始めて以来、世界の金融機関は4000億ドル以上の評価損を計上している。
当局との和解では、大半の銀行が個人投資家保有のARSのみの買い戻しに合意した。そうしたARSは主として地方自治体やクローズドエンド型投資信託、学生ローン機関が発行体になっている。
ARSの流通市場を運営するリストリクテッド・ストック・パートナーズのデータによると、地方債ARSの価値は1ドルにつき平均90─98セント、学生ローンARSは70─85セントで、クローズドエンド型ファンドARSは85─95セントとなっている。 続く...


