インフレリスクへの対峙は責務、警戒怠るべきでない=須田日銀審議委員

2008年 08月 28日 13:30 JST
 

 [金沢 28日 ロイター] 日銀の須田美矢子審議委員は28日、石川県金融経済懇談会でのあいさつで、国際商品市況が調整局面にあるからといってインフレリスクへの警戒を怠るべきではない、との認識をあらためて示した。

 その上で、不断にインフレリスクに対峙しておくことが、中央銀行としての重要な責務だと語った。

 今後の金融政策運営に関しては、経済・物価の見通しとそのがい然性、上下両方向のリスク要因を丹念に点検しながら、それらに応じて機動的に行っていくとの方針を繰り返し、リスク要因を点検する際のポイントについては、景気とインフレのどちらを重視するかといった二者択一的な見方はしていない、と強調した。

 <大幅な調整想定しておらず>

 日銀は8月の金融政策決定会合で景気の現状に対する基調判断を「さらに減速している」から「停滞」に下方修正した。須田委員は日本経済について「原油をはじめとする原材料価格の高騰や海外経済の減速に伴う輸出の増勢鈍化などを背景に、成長のモメンタムはやや弱まっている」と指摘。ただ「景気がここにきて急に落ち込んだ訳ではない」とも述べ、「日本経済が現在停滞局面にあることは確かだが、過剰な在庫や設備を抱えているわけではないため、1998年や2001年のような大幅な調整は想定していない」と強調した。

 基調判断を引き下げた大きな理由となった生産については「7─9月も3期連続で減少する可能性が高くなっている」としながらも「在庫・出荷バランスが大きくは崩れていないもとで、エネルギー・原材料価格高の影響が薄れ、所得形成力が次第に回復していくにつれて、再び増加基調に復していく」との楽観的な見通しを示した。

 生産が下振れた背景には、これまで日本経済をけん引してきた輸出の失速がある。須田委員は「米経済は年後半の減速は避けられそうになく、米国向けの輸出は、当面低調に推移する可能性が高い」としたほか、NIEsやASEAN向けについても「世界経済の減速に加えて商品市況高に伴う所得形成の弱まりが、成長の制約として徐々に顕在化しつつあり、そうした地域向けの輸出もしばらくは弱めの動きを余儀なくされる」との見方を示し、こうした認識から、輸出全般について「世界経済の成長率が鈍化していくもとで、輸出全体の伸びは緩やかなものになっていく」と語った。

 <インフレ警戒怠るべきではない>  続く...

 
 
 
 
 
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