兜町ウォッチャー:CTA主導で大幅安、海外勢は日本に懸念

2008年 09月 2日 16:53 JST
 

 [東京 2日 ロイター] 福田康夫首相の辞任表明から一夜明けた2日の東京株式市場は、午後場に入って一時、日経平均が前日比300円を超す下落となった。売りの主体は商品投資顧問業者(CTA)などの海外勢だった。先物を中心にまとまった売り注文を出し、先物主導で400円近い下げとなった場面もあった。

 海外勢が日本株に対して懐疑的になったのは、やはり福田康夫首相の1日夜の辞任表明だ。外資系証券のある関係者は「福田首相の辞任で、この先の日本政府がどのような経済政策を打ち出してくるのか、はっきりないという不安感が海外投資家に広がり、特に足の速いCTAは積極的に日本株を売っていた」と話す。

 また、後継首相がだれになっても、衆参両院の多数派が異なる「ねじれ」国会の状況は変わらず、大胆な政策を実施できないのではないかとの懸念が海外勢の中で広がっているという。「日本が閉塞状況を脱して変化するという確信が持てるかどうかが鍵になる。すると、答えはねじれ国会に着地する」(銀行系証券)との見方だ。

 草野グローバルフロンティア代表取締役の草野豊己氏は「日本株で運用するヘッジファンドは閉鎖やポジション圧縮が続いている。ボラティリティが落ちているため、CTAも日本株での運用をやめ始めている」と指摘。「ねじれ国会が日本の政策運営を大きく制約することを、前回の参院選以降、海外投資家は学んできている」と述べる。

 こうした見方は、国内勢にも広がってきている。「首相が辞任しても参院の野党多数が変わるわけではない。だれが次の首相になっても、法案が通らない状況は同じだ」(準大手証券)と、政局のこう着を見通す声も少なくない。財源の制約が政策の選択肢を狭めている点も変わらず、大胆な政策運営は封じ込められている。

 市場では、次の首相として麻生太郎幹事長を上げる声が多いが「証券優遇税制の拡充を打ち出しているため、多少は株式市場にプラスかもしれない。ただ、財政の制約を考えると改革への逆行と受け取られかねず、株価浮揚効果は一時的だろう」(銀行系証券)という批判もある。

 小泉純一郎元首相のように支持率を上げて、野党の反対を封じ込める手法も考えられるが「小泉人気を支えたのは郵政改革のような国民の共感を得る明確なメッセージだった。しかし、今はそうしたメッセージがみあたらない。構造改革への反省ムードもあり、小泉劇場の再来はない」(新光証券・エクイティストラテジスト、瀬川剛氏)と、マーケットの政治への期待感は低い。

 日本の存在感が強かった時代にいわれたジャパン・バッシング(日本たたき)は、その後ジャパン・パッシング(日本素通り)に変化した。草野氏によると「投資の世界では、さらにジャパン・ミッシング(日本がみつからない)からジャパン・バニッシング(日本が消えた)に変わっている」という。 

(ロイター日本語ニュース 松平陽子;編集 田巻 一彦)

 
 
 
 
 
 
写真

2大政党制になったにもかかわらず「与党がだめなら野党に」という仕組みになっていない。それでも野党・自民党の復活を願う声はあるはずである。  ブログ