米国発の金融不安で日本が最後の出し手にも=渡辺・元金融担当相
[東京 30日 ロイター] 渡辺喜美・元金融担当相は30日、ロイターとのインタビューで、米国発の金融不安について、当局が公的資金の資本注入を採用する段階まで至っていないことから、混乱はしばらく続くとの見方を示した。
また、日本の民間金融機関が資金の出し手として存在感を高めているが、日本政府も「最後の出し手」として海外から要請を受ける場面が出てくるとの見通しを示した。さらに「そのときにどういう対応ができるかは考えておく必要がある」との認識を示した上で、国際協調の枠組みの中で、外貨準備の資金を活用することもあり得るとの考えを示した。
インタビューの詳細は以下の通り。
――米国発の金融不安と当局の対応をどうみるか。
「流動性の危機の背景にはソルベンシー(支払い能力)の問題がある。当面は流動性の供給でしのいでいくしか手立てがないようだが、根本治療には程遠い。金融安定化法案は不良資産の買い取りに過ぎず、次の政権までのつなぎの位置づけだったと思う。その間、巨大金融機関への危機が及ぶか及ばないかという中で、何とかこのスキームで切り抜けるつもりだったのだろうが、そのつなぎの政策すら下院で否決されてしまって大混乱に陥っている」
――日本の不良債権処理の経験はどのように役立つか。
「金融システム全体に支払い不能の恐れが高まっているときに公的資金の注入は正当化される。これが日本の教訓だ。日本が公的資金を使ってやったのは、1)預金者保護の金銭贈与、2)不良債権の買い取り、3)金融機関への資本注入――の3つだが、最も成功したのは言うまでもなく資本注入。公的資金には、破たん処理スキームと破たん前スキームが必要だが、米国では残念ながらその段階までたどり着いていない。混乱はしばらくは続かざるを得ない状態になっている」
「公的資金を使うなら責任追及とセットになる。日本でも相当もめた。不良資産の買い取りスキームを作っても、厳しい責任追及を受けるなら、スキームを利用する側は回避行動に出る。しかし大事なのは、ツー・リトル・ツー・レイト、兵力の逐次投入ではだめだというのが日本の教訓。ここが米国や欧州の当局に問われる。金融安定化法案には、時価会計の停止の項目もあるようだが、もしもこれを使って情報開示をブラックアウトするならば、損失処理と資本増強を一気呵成にやってしまわなければならない。それができないと逆に疑心暗鬼を深めるだけなので要注意だ」 続く...





