焦点:時価会計見直しで変動利付国債も対象に

2008年 10月 22日 18:59 JST
 

 [東京 22日 ロイター] 米欧が相次ぎ時価会計の運用や基準を見直したことを受けて、日本の会計基準を設定する民間組織の「企業会計基準委員会(ASBJ)」が金融商品の時価会計運用を事実上、緩和する方針を盛り込んだ指針案を公表したが、国内の金融機関が大量に保有し、価格の下落で大きな含み損を抱えている変動利付債が時価評価しなくてもよい対象に含まれることが明らかになった。

 だが、円債市場では、取引価格が形成されることで時価評価の対象外にならなくなる可能性があるとの思惑も急浮上。22日の変動利付国債の取引が急減する事態に発展している。

 <市場崩壊で理論値の採用広がるか>

 企業会計基準委員会は16日夜、企業が保有する金融商品の時価会計の運用の見直し案として、流動性の枯渇した金融商品は理論価格を用いて評価してよい、とする公開草案を公表した。公開草案の意見募集は23日で締め切り、月内の委員会で決定する。11月に発表が集中する金融機関の2008年9月末の決算での適用は可能とみられている。

 公開草案に関し、企業会計基準委は「時価」の概念を拡大するもので、会計基準の変更ではなく「解釈の明確化」であるとの立場を強調している。企業や会計士が、金融商品の価格評価で理論値を採用してもよい場合のケースを示した。だが、大手銀関係者の1人は「現行の時価会計の対象を狭めることで、銀行の評価損計上を回避し、銀行決算をサポート使用としているのは明らか」と述べ、金融界では事実上の「時価会計の適用緩和」とみられている。

 金融庁の幹部は「流動性が低ければ理論値を使うことは従来から認められていたが、ややあいまいだった。その中で実際に市場が壊れるまさかの事態になり、会計現場では本当に理論値を使ってよいものか混乱していたが、これで安心感が広がるのではないか」として「日本の会計現場で理論値の採用は広がるだろう」とみている。

 会計基準委員会の公開草案は、株式は対象として除かれているが、サブプライム問題で値段の崩れた証券化商品と一部の債券が想定されている。ただ、金融庁は、国内金融機関のサブプライム関連の証券化商品の保有額は、2008年6月末で9580億円にとどまるため、影響は限定的とみている。その根拠となるのが、2008年3月期に約50兆円だった自己資本(基本的項目・Tier1)の厚さと、6兆円に上る実質業務純益の規模だ。

 <国内金融機関の変動利付国債保有額、35-39兆円の試算>  続く...

 
 
 
 
 
 

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