焦点:日銀の利下げ、ゼロ金利回帰せず流動性供給対応の可能性

2008年 10月 31日 21:35 JST
 

 中川 泉記者

 [東京 31日 ロイター] 世界的な金融混乱の波が日本にも押し寄せ、日銀も31日に利下げに追い込まれた。0.5%という低金利の下で下げ幅を0.2%にとどめる提案は、マーケットの意表を突いた内容だったが、市場の一部ではゼロ金利に再突入せずに大量の資金供給を可能にする対応との見方が出ている。

 白川方明総裁自身も同日の会見で、ゼロ金利の弊害を指摘。この先の金融情勢の悪化には流動性対策を主眼に対応していく方向性を強くにじませた。さらに一段の景気悪化に対し金融政策は景気調整を打ち消すには無力との認識を示し、何ができるか対応策を検討したいと述べ、かつてのゼロ金利政策とは別の新しい政策スタイルを模索していく可能性がある。

 <直前まで利下げに距離置いていた日銀>

 「0.5%という金利水準は、十分緩和的との直前までの説明と食い違いがある」--。今回の利下げの決定に対し、民間エコノミストや総裁会見に出席した記者からは、疑問の声が相次いだ。金融危機が深刻化して各国が協調利下げに踏み切った10月8日にも、日銀は利下げに加わらなかった理由として、国内金融市場の相対的な安定と0.5%という極めて低い金利水準を理由に挙げていた。

 27日には山口広秀副総裁が就任会見で「現在の政策金利は経済・物価情勢からみて極めて低く、緩和的な水準が維持されている」と発言したばかり。円高・株安の進行と利下げすることの効果について、複数の日銀幹部が積極的には評価しないという見方を示していた。

 なぜ、突然の方針転換となったのか。その理由について白川総裁は「株下落や円高、社債スプレッド拡大などの金融市場の変化や、設備、輸出、生産といった経済情勢の変化」を挙げ、金融緩和状態を確保していくためと説明。利下げの判断を下したのは、今回の金融政策決定会合の直前だったことを明らかにした。

 会見では金融市場の動向に結果として追随する形で追い込まれたと印象があるとの質問も出たが、白川総裁は「私は市場の価格発見機能を大事にしたい」との姿勢を示し、市場追随との見方をまったくは否定しなかった。ただ「時には市場も行き過ぎることがあり100%追随するわけではなく、両者の微妙なさじ加減が大事」と付け加えた。  続く...

 
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