「中福祉・中負担」など3原則を合意=諮問会議 

2008年 11月 20日 23:04 JST
 

 [東京 20日 ロイター] 政府の経済財政諮問会議は20日、政府が年末までにとりまとめる税財政の「中期プログラム」などについて議論を行い、社会保障に関して「中福祉・中負担の社会をめざす」ことや安定財源の確保など民間議員が提示した3原則に沿って議論を深めていくことで合意した。

 会議では、社会保障の機能強化や基礎年金の国庫負担割合引き上げ、次世代への負担先送り解消などで2015年度には消費税率換算で8%超に相当する財源が必要との試算も示されたが、会議後に会見した与謝野馨経済財政担当相は「国民に(税負担の)大幅なものはお願いできない」と語った。

 中期プログラムについては、民間議員が、1)2010年代半ばまでの「安心のための必要費用」とその内容、2)多年度にわたる「税制抜本改革の全体像」、3)新たな負担増について国民理解を求めるため、「中期プログラム」の基本原則や具体化手法、歳出規律堅持の枠組み、行政改革などを前提とする──ことを提言。

 会議では、中期プログラム策定後、2009年1月にまとめる「経済財政の中期方針と展望(進路と戦略)」で向こう10年の経済展望と財政展望を示すことも決めた。さらに、これらを踏まえて、2009年半ばまでにまとめる「骨太の方針」では具体的な優先施策を固める予定。中長期的な経済財政運営を3段階で示し、経済成長や財政健全化、行革実行への方向性を打ち出す。

 年末のとりまとめに向けて、中期プログラムに関して3回の集中議論を行うことも確認された。第2回目は12月第1週にも税制抜本改革をテーマに開催する予定だが、与謝野担当相によると、これに先立って非公式に党税調幹部と諮問会議の民間議員が意見交換を行う見通し。与謝野担当相自身も党税調幹部と会談する意向だ。

 会議では民間議員が社会保障の安心強化に向けて、1)中福祉・中負担の社会をめざす、2)安心強化と財源確保の同時進行、3)安心と責任のバランスのとれた安定財源の確保──を3原則として提示、与謝野担当相によると会議では「(3原則と)税制の抜本改革や歳出規律のあり方と合わせて議論を深めることで合意」した。

 社会保障の安定財源については、民間議員が必要な項目と額も提示。それによると、09年度からの基礎年金の国庫負担割合引き上げが3兆円程度(消費税率換算額1%程度)、社会保障の機能強化・高齢化対応が7.6─8.3兆円(同2.3─2.5%)、次世代への負担先送り拡大停止3兆円程度(同1%程度)、次世代への負担先送り解消13.8兆円(同4.2%)で、合計で消費税率換算8%を超える。

 これに対して与謝野担当相は「税制改革を仮に国民に理解してもらっても、(税負担の)大幅なものはお願いできない。常識的には、ある一定の幅が政治的に想定される」と指摘。こうした点も踏まえ、会議には内閣府が、社会保障国民会議が示した社会保障の機能強化・高齢化対応による増分を中心に「現世代の安心強化」を優先する手法と、安定財源が確保されていない既存の給付分(13.8兆円)を中心に確保する「現行制度の安定化」を優先する2つのアプローチを提示。与謝野担当相によると、会議では「現世代の安心強化と将来への負担先送りへの対応のバランスが必要」との意見も出るなど方向性は定まらず、さらに議論を重ねる方針。 

 
 
 
 
 
 

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