3月短観で懸念される雇用悪化、消費・物価の下押し圧力増す可能性
[東京 1日 ロイター] 国内の雇用情勢が一段と悪化する可能性が出てきた。1日朝に発表された3月日銀短観では、企業の雇用過剰感が急速に高まり、先行きも中小企業を中心に過剰感が強まる見通しが示された。
足元で悪化している輸出や生産の動向が、この先の雇用状況をさらに悪化させる可能性があり、雇用の悪化を通じて個人消費がさらに冷え込み、一段と生産と物価の下押し圧力を増大させる「負のスパイラル」に落ち込むリスクも出てきた。
<高まる雇用過剰感、中小企業は先行きも慎重>
3月短観では、大企業製造業の業況判断指数(DI)が過去最低の水準まで落ち込んだ。先行きは若干の改善見通しだが、中小企業の先行きの業況感はさらに悪化する見通しだ。
雇用の過剰感も急速に高まり、大企業製造業の足元の雇用人員判断DIの過剰超幅は、過去最大を記録。先行きも大企業製造業で小幅改善する見通しとなったが、中小企業では製造業・非製造業ともに過剰感の強まりが想定されている。日本の雇用の大部分を占める中小企業の雇用情勢が一段と悪化すれば、GDPの5割超を占める個人消費が大きな影響を受けることは避けられない。
JPモルガン証券・チーフエコノミストの菅野雅明氏は、今回の短観を踏まえ「中小企業の先行きの業況がこれから悪化し、様々な調整をこれから経なければいけないという状況に置かれている」と指摘する。
農林中金総合研究所・主任研究員の南武志氏も「09年度上期中は輸出・生産といった『先行・一致系』の指標は底入れを模索する動きが徐々に強まっていくと思われる一方で、雇用・消費など『遅行系』の指標は、逆に当面は悪化傾向が強まる可能性もある」と見ている。その上で「需要が元通りに戻るには相当程度の時間がかかる。その間、企業は雇用中心にコスト削減を行う可能性が高い」とし、「特に非正規労働者や再就職を希望する人にとっては厳しい状況は続くだろう」と予想した。
<家計の消費行動は一段と保守的に> 続く...


