分水嶺に差し掛かる国債市場、長期金利1.5%超シナリオも
[東京 2日 ロイター] 新年度入りした国債市場は、長期金利の代表的な指標となる10年最長期国債利回りがこれまでの低下シナリオに沿って推移するのか、逆に上昇傾向をたどるのかどうかの分水嶺に差し掛かっている。
景気後退の長期化懸念がくすぶる中、投資家の資金が国債市場に流入しやすい構図に変わりはない。しかし、財政出動に伴う国債の増発観測は消化しきれていないのが実態だ。主要米銀を対象にしたストレステストや、ゼネラル・モーターズ(GM)GM.Nなど米自動車大手の再建問題をにらみ、外国人投資家が換金売りに動く可能性もある。
市場では4─6月の長期金利の水準について、日銀が0.1%への利下げに踏み切った2008年12月19日以前に逆戻りし、節目の1.5%を超えて推移するとの観測も浮上している。
<三菱UFJ証券チーフストラテジスト・石井純氏>
債券売りと買いの要因がきっ抗するなか、当面は売りがやや優勢になるとみている。背景には、1)循環的な景気の底入れ観測の台頭、2)国債増発に伴う荷もたれ感の強まり――がある。国内投資家は、運用環境の先行き不透明感から早めの益固めに動きやすい。今後、主要米銀のストレステストの結果判明やGM再建の最終判断などといったリスク・イベントが控えており、外国人は換金売りを継続する可能性もある。債券市場は、年/年度上期の金利高から下期の金利安という、ここ数年観察されたアノマリーも意識することになるだろう。
もっとも、こうした流れは6月末を境にピークアウトしそうだ。金融危機と景気後退の悪循環といった世界的な負の連鎖が続くなか、国内経済はストック調整の本格化によりデフレスパイラル(景気後退と物価下落の同時進行)のリスクが高まる。そうなれば債券市場の期待潜在成長率と期待インフレ率の下方屈折状態は変わらず、長期金利には下振れ圧力がかかり続けることになる。
一方、資金運用難で債券投資需要は引き続き根強い。増発国債の無難な消化にメドが立つようになり、需給悪化による「悪い金利上昇」は表面化しないだろう。 長期金利は心理的な節目の1.5%前後では押し目買いが広がり、低下に転じると予想する。
<プルデンシャルインベストメントマネジメントジャパン投資運用本部長・坂口憲治氏> 続く...


