09年度に公債金が税収上回る可能性、補正後も残る国債増発要因
[東京 9日 ロイター] 政府は10日に財政支出15.4兆円の追加経済対策を正式決定する。財源として10兆円を超える国債の大量発行が見込まれるが、追加経済対策の財源を手当てする09年度補正予算後も、税収見込みの下方修正による国債増発要因が残る。
一時は、この税収見通しの下方修正分も補正予算に組み込むことが探られたが、あまりに膨大な追加国債発行のショックを警戒して見送られた。政府は、短期的に国債の安定消化による「金利上昇抑制」、中長期には「財政の持続可能性」という2つの課題を背負う。
対策に伴う10兆円を超える追加国債の発行で、09年度の新規国債発行額は43─44兆円にも達し、これまで過去最大だった99年度の37.5兆円を大幅に上回る見通しとなった。さらに景気の大幅な落ち込みで、09年度の税収見通しは法人税を中心に下方修正は必至の情勢だ。市場では「法人税収主体に4─5兆円規模の減額が見込まれる」(大和証券SMBCチーフストラテジスト・末澤豪謙氏)との試算も聞かれる。
仮にこの見通し通りになれば、新規国債発行は40兆円台後半に増大。09年度税収見込みは当初予算の46.1兆円から40兆円台前半に転落する。公債金が税収を上回る異例の事態に陥る。
9日の国債市場は、早くもこうした国債増発懸念を受けて先物が08年10月22日以来、約5カ月半ぶりの安値に下落。10年最長期国債利回りも一時、1.480%と1.5%目前に上昇した。
今回の対策には、企業の資金繰り対策として危機対応貸付枠の拡大などが盛り込まれており、09年度の財政投融資の追加は7.8兆円になる。このうち財源をどの程度の財投債発行で賄うかは不明だが、市場では5─6兆円との見方もあり、これも国債発行に上乗せされることになる。
今後、2009年度政府経済見通しの下方修正による税収見積もりの減額も確実な情勢で、金利上昇抑制に政府・日銀が綱渡りの対応を迫られる可能性も否定できない。前日銀副総裁の岩田一政・内閣府経済社会総合研究所所長は8日、ロイターのインタビューで、日銀の国債買い入れ増額も1つの選択肢だとの認識を示した。
(ロイター日本語ニュース 吉川 裕子記者 伊藤 純夫記者;編集 田巻 一彦)
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