日銀展望リポートは中心シナリオ維持の公算
[東京 20日 ロイター] 日銀は30日、4月の「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)を発表するが、同日の決定会合では「2009年度後半以降の経済持ち直し」という中心的な景気シナリオを維持する方向で議論が行われる見通し。
景気の強弱材料がきっ抗するなか、上方・下方修正の決定打に乏しいため。現在の2010年度までの見通しは「2009年度後半以降、国際金融資本市場が落ち着きを取り戻し、海外経済が減速局面を脱するにつれて、わが国経済も持ち直し、物価の下落幅も縮小してく姿が想定される」となっている。
シナリオへの楽観材料としては、3月・4月生産見通しに見られるように、在庫が圧縮されて景気に下げ止まりの兆しがみられつつあることや、中国景気に明るい材料が散見されることなどがある。一方、悲観材料には、欧米経済のダウンサイドリスクが依然大きいことや、消費や設備投資といった内需が今後弱まるとみられること、5月の企業決算発表を契機に企業の格下げが続出する可能性などが挙げられる。
日銀では特に、海外経済・国際金融環境を依然として最大のリスクとみている。海外要因次第で、日本経済の成長期待が低下する可能性もあるためだ。
一方、懸念されている5月危機については、企業が先を見越して早めに手を打ってきたことや、中小企業についても緊急保証などの活用で足元の資金繰りがある程度、緩和されている可能性が指摘されており、「危機ほどではないだろう」(早川英男大阪支店長)との見方が少なくない。
白川方明総裁は日本経済について「1月時点の見通しと比べると下振れて推移している可能性が高い」と繰り返し述べているが、日銀では、白川総裁の発言は足元の説明であり、先行きのシナリオについてではないと解説している。
政府・与党が10日に決定した過去最大の追加経済対策の効果を予測数値に織り込むかは、まだ確定していないもよう。政府では、同対策で09年度の国内総生産(GDP)が2%ポイント程度押し上げられると試算している。日銀は、展望リポートの09年度GDP成長率見通しを、1月の中間評価におけるマイナス2.0%から下方修正する方向で検討しているが、対策の効果を勘案するか否かは政策委員の大勢見通しに大きく影響する。
(ロイターニュース 児玉 成夫記者 取材協力;志田 義寧記者;編集 石田仁志)
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